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短編集  作者: 狛井菜緒
2/5

神官と女神様

前置き



虐められっ子属性の女神様と、慇懃無礼で不遜な元女の神官設定。


性転換した主人公設定なのですが、本人はハイパーノーマルです。なので本人は女性、男性ともに恋愛感情は一切ありません。


そのせいか、かなり冷ややかで捻れた性格をしています。無自覚でドSです。


そのドSっぷりに何故か自発的に調教される女神様の話ですが書いてて、ムーン行きになりました


ちょっとGLっぽいです。

こんにちわ、山田実花と言います。外見はもろ白人ですが日本の心を忘れたつもりはございません。

ええ、ありません。ありませんとも



唐突ですが、私は転生をしたようです。


人生山あり谷ありと言いますが…前世の私はその山を登る途中で死んだようです。享年18歳でした。


死んだ理由はショックか何かしりませんが思い出せません。別にいいですよ、覚えてても仕方ないじゃないですか。


死んだ理由を今更考えても時間の無駄ですから。ほら、タイムイズマネーって奴です。え?発音悪い?良いんですよ。ネイティブを私に求めないで下さい。



さて、今世の話に戻りますが、どうやら異世界に転生したみたいで、魔法とかバリバリ使うファンタジーな17世紀のヨーロッパみたいな所に私は生まれました。容姿と名前ともに外人さんです 。


キラキラ輝く銀髪にのサファイアブルーの瞳。骨格からして日本人外な成長具合です。


容姿は美女の母親に似たせいか、カエル面の親父にはさっぱり似とりません。転生して良かったのは顔が良いぐらいですかね。


今世の名前はサルジュ・ド・フィルデンと言います。因みに男です。


え?なんで男?


知りませんよ。作者にでも聞いて下さい。多分奴は「どーせコメディだからいいじゃん」とろくでもない事を言うでしょうね。ケッ


…それより性転換の転生って実際なってみるとかなりキツいです。


産まれた家は立派な商家の次男で、受験競争を乗り越えてきたお陰で底上げされた学力をもったせいか周囲からは将来有望とされ、この外見だ。


三拍子を揃えてしまったせいか、10歳で寄宿学校に入ってから、告白やら、女の視線やらをもろに受けました。


身体が女なら違和感なく異性と結婚していたでしょうが、私のあいにくノーマルなので、身体が男でも心が女である以上、女性に「好きです」「愛してます」と言われても萎えるというか、シラケてしまうんです。



15歳になり、そろそろ成人式を迎えようとしていたころ、脳内に変な声を聞くようになりました。



『お前は今日から妾の神官じゃ! 励むが良いぞ!』


それはそれは、可愛らしい鈴のような声音でした。



けど、上から目線に何かムカついたのでシカトこきました。

その対応が悪かったのか、『こら!聞こえておるのじゃろう!何故、無視するのじゃ!?』とか『た、たたるぞ!ほ、本気で祟ってやるからな!』とか『泣くぞ!いつまで妾を無視するのじゃ~!!』と最終的には泣き言を言ってきましたが、ウザイので再びシカトしました。


ほら、寄宿学校に通っている手前、幻聴が聞こえるなんて言ったらハブられますからね。


魔法の習得やら勉強やらで忙しいのに、空気の読めない奴に構ってる暇なぞありません。


冷たいと思いますか?でも風呂やトイレ、友人との会話の途中や授業中に脳内で喚かれたら誰だって腹が立ちますよ。


暫くシカト続けていたら、大神殿から神官長自らがきて、女神様だからシカトしないであげてくれと、眉を下げられ頼まれました。



どうやら私に話しかけたのは、この世界を創製した8柱の女神様の一柱で、水と繁栄を司る女神リヴィエール様と言う女神様だそうです。


元の世界とは違い、こちらの世界の神様はかなりフレンドリーみたいで、度々収穫祭の際に各神殿に降臨されるのだが、祭にいくより勉強していたほうが有意義だったので気づきませんでした。



この世界の神官は神様の声を直接きける人間の事を言います。神様から直接話し掛けられるのは凄い希で、大抵は各国の神殿に所属します。


神官は人々からも敬われるエリート職ですが、私の中ではやりたくない職業No.1でした。


どうやら私はその女神様であるリヴィエール神の目に留まったようです。



進路が急遽、神官になったことで両親は肩を落としました。両親は私に家を継いで貰いたかったみたいですが、まあ父似の口達者な兄がいますので大丈夫でしょう。

神官見習いとして大神殿に入ると、リヴィエール様ご本人が待ち構えていらっしゃいました。


神官長の背中の後ろに。どうやら神官長は盾のようで、こちらを子猫のように威嚇していらっしゃいます。


「よ、よくも妾を無視してくりゃったの!!」


「…(超うぜー)」


初めて見た女神様は、美しいと言うか可愛らしい神様だった。


身長は160ぐらいで、外見年齢は14歳くらいで、華奢で、艶やかな水色の髪にパッチリとした金色の瞳に薔薇色の唇


そりゃあお人形さんみたいな美少女です。しかし、ハイパーノーマルな私は食指が動くはずもなく、老人を盾にする変な女神様に呆れた瞳でみてやりました。



「うっ…うぅ…そなた、妾を敬っていないじゃろ…!」


「いえ、少なくとも水の恩恵を頂いている身ですので、深く感謝し、その神威に畏敬を感じていますよ」


「ほ…本当か?」


「ですが、ハッキリ言って神様じゃなければ関わりたくありませんでした。」


ズバッと本音を冷淡に言うと女神様はボロボロ涙を溜めて顔を真っ赤に染めました。


神官長がおろおろとしてます。すいません。私もかなりストレスたまってたのでつい本音がポロリと出ちゃいました。


「…っらいじゃ…」

「はい?」


「嫌いじゃ!大嫌いじゃ!!せっかく妾が眼をかけてやったのに無視するし、女神を女神として敬わないし!そなたなんて嫌いじゃ!」


女神様のご機嫌を損ねちゃったみたいです。やばいですね。これでは実家に類が及ぶかもしれません。


両親に話して縁切り状を渡そう。そして国をでよう。そうしよう。


私は内心両親に詫びると、国をでるルートを密かに頭で選びながら女神様に視線をむけると、女神様は泣き張らした顔でプイっと横を向いてしまいました。



「承知いたしました。では実家に帰らせて頂きます。短い間でしたがお世話になりました」


私はにべもなく神官長にペコリと一礼する。部屋から出ていこうと女神様と神官長に背を向けるとクイッと神官服を掴まれました。



そちらに眼を向けると女神様が服の裾を握っていらっしゃいました。


「離して下さい。ご不快でしょう?」


「ぅ…ば、馬鹿者!き、嫌いじゃというのは妾の感情じゃ、女神は感情で行動しないのじゃ!!」


「…はあ。」


「そなたが、妾のために毎日礼拝して、一緒に遊んでくれるなら許してやってもよいぞ!」


「実家に帰らせて頂きます。」


「っふぇえええん!」



嫌じゃ嫌じゃとガシッと私の身体に抱きつき泣きじゃくる女神様に、ため息を溢す。神官長からは「女の子を泣かせるものではありません」と目線でたしなめられました。


私も、女神とはいえ小さな女の子を泣かせたのには罪悪感は感じていたのもあり、ため息をつく抱きついている女神様に視線をむけました。


ここは、なんかお祈りか何かして落ち着いて貰いましょう。


「…《我が身は水の恩恵と共に》」


「っ」


「《我が心は、流水のように止めどなく流れ、貴女の元に帰結する。》」


「ぁ…。」



「《清らかなる乙女よ、麗しき水面の御柱よ、我が信仰は全て貴女へ捧げられる。


死が別つまで、貴女の足元に侍り、例え醜く老い朽ちようとも貴女の慈悲にすがることを許したまえ。》」


「…っぁあん!!」



これは女神への祈りの聖句であり、女神の心を潤す信仰の祈りとなる


女神様はゾクゾクとさせて、顔を恍惚とさせている。ハッキリ言って目の毒ですね。はい。


ですが、私はちっとも欲情してませんよ当たり前ですけど。女神様への挨拶の聖句を言っただけでなんでこんな反応をするのか謎だが、全力でスルーすることにする。


「あ…ふぁ…。」



「随分と感じやすいのですね…リヴィエール様。」


「っ!!」


素直な感想を言うと、女神様は顔を真っ赤にそめて何故かあたふたしはじめました。何故に恥じらう?まあ、これもスルーします。


女神様への挨拶も済んだし、神官寮に戻るとしますか



「……本日より。お世話なります。幾久しく」


そう悪戯っぽく耳元で女神様に囁くと、女神様はへにゃりと床に座り込み、真っ赤な顔で私を睨み付けます。


私はそれを「ざまぁ」と内心冷笑すると神官長に一礼してすたすたと聖堂を後にしました。


私の背中に向かって「このすけこまし!!」とか「なぜあんなに無駄に声が良いのじゃ!!」と怒鳴る声が聞こえて来ましたが無視します。シカトは得意ですので


後日、「女神を腰砕けにさせた色男」と言うレッテルがはられ、女神と女神様ファンな神官達と、ドMな巫女達に執拗に追いかけられるようになり、私は深く後悔することになりました。


女神様のツンデレな感じを書いてて爆破したネタです。


主人公は無自覚で言葉攻めしていることに気がついてませんが、もともとSなので女神様みたいな女の子を精神的にからかうのは好きみたいです。


恋愛になるかは微妙、なるとしても神官←←←女神になると思います。


自分が女神ならこんな神官がいたら嫌ですが、サルジュは声がめちゃめちゃ良いので「御許し下さい。リヴィエール様」て言われたら堪らなく許しちゃうでしょうね。


お粗末でした

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