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かわいい髪の毛
キーンコーン────
一時間目のチャイムがなる。
教科書持ってないこいつの為に
机をくっつけて
くぼみに教科書をおいた。
でも結城くんは寝てて…
こんなの見せる意味あんのかと
思いつつ授業をうけた。
外じゃセミがうるさい程に
鳴いてる。
それにこの部屋にエアコンなんてものはない。
40人のクラスに扇風機3台。
まさに地獄。
でも幸運なことに私の席は一番
後ろで
私の真後ろに扇風機があるから
皆よりは涼しい。
隣をみてるとまだねてる…。
扇風機の風で彼の髪の毛が
フワフワ揺れてる。
かわいいなあって思って
シャーペンでツンツンて
してみた。
そしたらいきなり手首を
つかまれて私は軽く悲鳴を
あげてしまった。
祐『ちょ…何よ…』
結『それはこっちのセリフです~。人の髪の毛勝手に触りやがって。』
祐『なっなんかかわいかったから………。』
そうしたら急に彼の手が私の
前髪にのびてきて
私の髪の毛をすくった。
結『そんなかわいい言い訳通じますか』
その声に
その顔に
その手に
不覚にもときめいちゃったのは
まぎれもない私だ。