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ループメイドの復讐 〜第13王子に王冠を捧ぐ〜  作者: 紬衣琉


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06

情報屋の男──ヴァルド・レーン


この世界には、「スキル」と呼ばれる力が存在する。

人は生まれた瞬間からひとつ以上のスキルを持ち、それは才能であり、呪いであり、運命そのものでもあった。


スキルは大きく三つに分類される。


戦闘系──剣術、武術や身体強化など、戦いに直結する力。

生産系──鍛冶、薬草調合、裁縫、建築など、生活を支える力。

補助系──鑑定、交渉、記憶強化など、戦闘にも日常にも応用できる力。


しかし、ごく稀に、どの分類にも属さない“異端”が生まれる。

体系にも記録にも当てはまらない、世界の綻びのような存在。

人々はそれを「固有スキル」と呼んだ。


固有スキルは、持ち主の人生を大きく歪める。

強すぎる力は祝福ではなく、しばしば災厄となるからだ。




ヴァルド・レーンは、名門貴族の次男として生まれた。


幼い頃から固有スキル《人生読解》ライフリーディングが発現していたが、制御は未熟で、視界に入る人間の過去が勝手に流れ込んできた。




侍女の虐げられた日々。

家臣の裏切りの計画。

父の隠し子。

母の絶望。

兄の嫉妬と恐怖。


知りたくもない真実ばかりが押し寄せ、少年は人間そのものに幻滅した。

家族は彼の苦しみを理解せず、「奇行の多い子」として扱い、疎遠になっていった。


十代半ば、ヴァルドは限界を迎え、家を出た。

「この家にいても、俺は壊れるだけだ」と悟ったからだ。




家から出たものの貴族の坊っちゃんが1人で生きていけるはずもなく、街で生き倒れていた。



そんな彼を拾ったのは、裏稼業の男だった。

粗野で、酒臭く、喧嘩っ早いが、不思議と人を見る目がある男だった。


「人間なんてろくでもねぇ? そりゃそうだ。

だがな、悪党の人生なんざ、見ても幻滅のしようがねぇぞ。

最初から底が見えてるからな」




その言葉は、ヴァルドにとって救いとして届いた。



男はヴァルトを育て、裏社会の生き方を教えた。

「人間を信じる必要はねぇ。行動だけ見ろ」

「お前のスキルは呪いじゃねぇ。使い方次第だ」

「嘘を見抜ける奴は、裏じゃ最強だ」


やがてヴァルドはスキルを制御できるようになり、

師匠の組織を継いで情報屋のトップとなった。



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