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ループメイドの復讐 〜第13王子に王冠を捧ぐ〜  作者: 紬衣琉


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3/10

03

リシェルは、アメリアの遺体を火葬し小さな骨つぼに入れて、小さな2人だけとなった家に置いた。


(アメリア様、いつか必ず王家の墓に埋葬してみせます。それまではまだここで、私たちを見守りください)


リシェルは骨つぼへ向かい祈る様に手を合わせた。







リシェルは、小さな家の一部屋──自分の部屋にこもり、決意を新たにこれからの計画を本に書き出した。


1. 協力者への接触

2. 情報屋との契約

3. ラウル、伯爵家への復讐準備


(よし、まずは今後も協力し合えるあの人と会わないと)


リシェルは城下町の外れ、廃れた商店街へ向かった。

メイド服から、お世辞にも綺麗とは言えないワンピースに着替え、上からフード付きの外套を羽織る。


商店街の一番奥──営業しているのかも分からない古びた酒屋の戸を開けた。


ギィィ……


奥には酔いつぶれた客が一人。

カウンターには、やつれた五十代ほどの女性が立っていた。

鋭い目つきだが、光を失ったような瞳。


「あんた、見ない顔だね……若い娘が来るとこじゃないよ」


吐き捨てるような声。


「こんにちは。いきなりすみません。

ヴァルティア王国でアメリア様の筆頭侍女をしていた──レイチェル様ですね」


その名を聞いた瞬間、女性の目が大きく見開かれた。


「あんた……何者だい。どこでそれを聞いた?」


リシェルは動じず、静かに続けた。


「私はアメリア様に仕えていたメイドです。

……アメリア様は数日前に亡くなりました。

私には、あなたの力が必要です」


「な……何を言って……アメリア様が……亡くなった……?」


レイチェルの目に、みるみる涙が浮かぶ。


その時、奥で倒れていた酔客が椅子を引きずりながら立ち上がった。




「……アメリア……?」



酒臭い息。掠れた声。

だが、その瞳だけは鋭く光っていた。




男はふらつきながら近づき、レイチェルの肩に手を置く。



「レイチェル……今の話、本当なのか……?」


レイチェルは苦しそうに目を伏せた。


「……アメリア様は……亡くなったそうです。」


男はその場に崩れ落ち、拳を震わせながら床を叩いた。


「……姉上……」


その言葉に、リシェルは息を呑む。


「……あなたは……」


男は涙に濡れた瞳でリシェルを見つめた。


「俺は……アメリア・ヴァルティアの弟。

滅んだヴァルティア王国の第二王子──ルシアンだ」


レイチェルが続ける。


「この人は……国が滅んだあと、アメリア様に頼まれて、命からがら連れてきたんだよ。

でも身分を明かせば命が危ない。だから……ずっと動けずにいた」


ルシアンは拳を握りしめたまま、震える声で言った。


「姉上がどんな扱いを受けていたか……ここに居ても知っていた。

だが……俺には何もできなかった。国も……姉上も……守れなかった……!」




(前のループでお会いした時は、アメリア様の亡くなって数年後だった。その時はもっと正義感に満ち溢れていて、ヴァルティア王国の復興に勤しんでおられていたわ、この時期はこんな風だったのね)



リシェルは静かに膝をつき、ルシアンと目線を合わせた。



「ルシアン様。アメリア様は濡れ衣を着せられ、追放され、誰にも看取られずに亡くなりました。

私は……その真実を必ず正します」


「……真実を……?」


「はい。アメリア様を貶めた者たちを暴き、名誉を取り戻し、王家の墓所に眠っていただく。

そのために──協力者が必要なのです」


レイチェルは涙を拭い、深く息を吸った。


「……あたしはアメリア様に仕えた者だよ。あの方の名誉を取り戻せるなら……命だって惜しくない」


ルシアンもゆっくりと立ち上がる。


「俺も協力する。姉上のためなら……何でもする」

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