第3話:放送に響く反撃の言葉
前書き
沈黙の図書委員会が動き出した。
スローガン「読むことは戦うこと」を掲げ、仲間を集める。
次の目標は――学校中に“声”を響かせること。
だけど、それを知った先生たちは黙っていなかった。
放送なんて使わせない!
図書委員が放送?意味がわからん!
反撃の放送をめぐって、学校の空気はざわつき始める……。
昼休み、放送室前。
ちひろたちは放送委員のまゆを待っていた。
「本当に流すの?」
まゆが不安そうに原稿を見つめる。
『読むことは戦うこと。
知ることは、自由になること。』
「うん。これを全校に伝えたい」
ちひろの目は真剣だった。
「図書委員が放送なんて、先生怒らない?」
「怒るね」
「怒るよな」
「怒るよ」
全員一致でうなずく。
それでも、止まらなかった。
昼休みが終わるチャイム。
放送室のランプがつく。
「えー、本日の昼の放送は、図書委員会からです!」
教室中が一瞬静まりかえる。
「図書委員会?」
「そんなの聞いたことない!」
放送が流れる。
「私たちは考えました。
教えることも、助けることも大切です。
でも、“怒る”よりも、“理解する”方がすごいと思います。
読むことは、戦うこと。
私たちは、本で考え、言葉で戦います。」
数秒の沈黙。
そのあと、校内がざわめきの渦に包まれた。
「何あれ!?誰が許可したの!?」
「先生、これ、勝手に流れてます!」
「止めろ、今すぐ放送止めろ!」
怒号が放送室に響く。
ドアがガタガタと揺れる。
「やばいやばいやばい!!!」
「でももう遅い!全部流れた!」
放送が終わると同時に、全校が騒然。
職員室。
「図書委員会が勝手に放送した!?」
「なんだそのスローガンは!」
「誰が許可した!?」
怒る先生たちの中で、ひとりだけ笑っている教頭。
「……いい放送だったと思いますけどね」
一瞬、職員室が静まり返った。
放課後。
図書室に戻った4人は、笑いをこらえていた。
「見た? 先生の顔!」
「めっちゃ真っ赤だった!」
「でも、これでみんな考えるよ」
ちひろが静かに言った。
「怒鳴るだけで伝わらないなら、言葉で伝えればいい。」
その夜、学校の掲示板には誰かが書いた紙が貼られていた。
“読むことは戦うこと”
― 放送委員&図書委員より
後書き
第3話はついに“反撃の放送回”でした
この回は、静かに反撃しながらもスカッと感が一気に広がるシーン。
ちひろたちが「理不尽に立ち向かう」姿、かっこよかったね。
次回――第4話はついに
先生たちの大反撃!
児童会や体育委員会まで巻き込んで、
学校がカオス化していく!




