番外編⑥
~ビターノ商会~
カナイドー商会の本体、カナイドー香業から届いた お香がギッシリ詰まった大袋×10袋を前に──
(; ´ー`)『十種の除障香・EX』……。
材料費がスゴい分、値段を高くつけたけど、天然 香料 100%なのが気に入られて、貴族 屋敷の使用人まで買いに来るほど 人気が出たけど……。
( ´△`;) えぇ……。
十種 全て、色が木の色──茶色だし。
混ざったら最後、見分け つきませんよねぇ、これ……。
(^○^;)着色料を入れてないからね。
(・・;)てっきり、桃は桃色とか、原料の色が出るのかと……。
(; ´_ゝ`) たしかに、それぞれの作物から搾り取った──あるいは蒸留して取り出した──油をベースの木粉に混ぜてるけど……ペンキや染料でもなし、木の色の方が強いよ。
昔ながらの 香る木片や 泥の中で樹脂が固まったものでも、見た目じゃ判断がつかないから、騙されないよう、その場で削って焚いて確かめるくらい だからね……。
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しかして、色々 不慣れ、かつ、意外とズボラ~、かつ、手抜かりだらけなビターノ商会。
ついに、どれが どれだか 分からなくなり、リピート オーダーの際、カナイドーに頼んで着色料で色分けしてくれるよう頼んだ結果、売上がピタッ……と止まってしまったと云ふ……。
唯一、着色料を入れてなかった──木の茶色のママだった──『聖樹ルーダン』の除障香のみが生き残り、他は廃盤、投げ売りと なった。
(余談だが、この『聖樹ルーダンの除障香』は この後、固定客も増え、十数年後に廃業するまで長きに渡り定番 商品となったのだった。)
☆リンデン地方の交易商は基本、本業を一つだけ持っており、本業 以外の品については、外部の工場や工房に製造 委託、手抜きや材料の誤魔化しをさせないよう監督するのが、お仕事。
(カナイドーの本業は、お香 製造業。)
☆『十種の除障香』
各80ゴールド
『効き目、抜群! 雑霊、ゾンビ、スケルトン、レイス、なんでも来いや!』
が売り文句。
原料が高価なものは、3粒入り。
安いものは20粒入り。
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工場や親方、職人の手抜きを防ぐには、現地に子飼いの人間を確保、信頼関係を結び、十分な報酬を与え、品質をその都度 チェックさせ、頼んだ通りの品質でないと意地でも突っ返させるんでないとムリ。
あと、
『田宮模型の仕事』
田宮俊作
文春文庫
90~92ページ
も参照。




