昔の話
「花畑せんせーー。」
「ん??何かな??」
花畑先生はこどもから大人気で、腕もよかった。
「今日は、僕と一緒に遊ぶんだよね?サッカーしようよ!!!」
「違うよ!!今日は私と遊ぶの!!!お人形ごっこしよ!!!」
いつもいつも笑顔の花畑先生はいつも子どもたちが取り合っていた。
そして、喧嘩が勃発するといつも必ずくる看護師さん。
「武君?花ちゃん??先生は一人しかいないんだから、みんなで仲良く遊ぼうよwwそれに、私もいるでしょ??」
そうやってほほ笑む花畑鈴架看護師。
花畑先生の妻で、すごく仲のいい二人だった。
ちなみにプロポーズはつい最近で私たちが来てからだった。
みんなが『あそんで~あそんで~』言ってるときにプロポーズをしたんだっけww
「え~~りんりんサッカー下手なんだもん。やっぱ、サッカー上手な花畑先生がいい!!それに、花畑先生は僕のものだもん!!!」
「違うよ!!花畑先生は私のものだよ!!!!!!!それに、今日は私が約束してたの!!!」
そうやって。また喧嘩が勃発する。
「何言ってるのかな?武君。花ちゃん?花畑先生は私のものでしょ!!!!!!!!」
(ええええええええええええええええ・・・・・・・・・・・。)
みんながきっと思ったと思う。
それはもちろん私も例外じゃなくって。
子どもながらにして
(大人げなさすぎ・・・。)
と思ったほどだった。
でも、その後の先生の一言も素晴らしかった記憶がある。
「そうだよねえええww俺はりんちゃんのものだもんねええw」
そうやってLOVE×2し始める二人。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
いつものことだと分かっていても慣れはしないもので・・・。
みんな唖然としていた。
「と!!取りあえずさ。みんなで遊ぼうよ!!花畑先生がしたいことなら、みんな賛成だろ?!」
それを見かねた一番年上のお兄ちゃんが提案をする。
「あ!!うん!!それいい!!うん!!」
みんなも、あわてながらそれに賛同した。
「じゃあ。花畑先生?・何したいですか??」
一番年上のお兄ちゃんが尋ねる。
「え~~。そうだなああ。僕は、りんちゃんとLOVE×2したいなああww」
「「ねぇ~~~~~~~~ww」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
みんなが呆然とする。
「くすくすww嘘w嘘だよ!!じゃあ。僕。戦隊ものやりたいなww」
そうやってにこやかに笑う。
「ふぅ~~。じゃあ。戦隊ものでww」
みんなが安心のため息をつく。
「じゃあ。俺!!レッド!!!」
「じゃ!!私ピンク~~ww」
「俺、黄色ナああww」
「ぼ!!僕はブルーです!!」
「緑やるーーーーーーー!!」
「じゃあ。俺ブラック~~!!」
そうやってどんどん色が決まっていく。
私はそれを眺めるだけだった。
だって・・・。私はいらない子だから。
いては困る子だから・・・。
確か、同じ事故の子もいるんだけど。なぜかちゃんと混じってブラックをやっている。
知らないのかなんなのかは知らないけれど。
なんだか・・・。すごく嫉妬したのを覚えている。
「恋空ちゃんは??何色がいいのかな??」
と。静かにしていたら突然声をかけられた。
「・・・私は・・・いい。」
正直。いらない私がやっちゃいけないとも思ったし。やれないとも思った。
「?恋空ちゃんは戦隊もの嫌い?」
「う~~うん。嫌いじゃないよ。むしろ好き。」
そこまでいうと・・・。にこやかに笑いながら先生が言った。
「『好き』ならやろうよ!」
そう言いながら笑う。
「でも・・・。」
言葉が詰まった。言ってもいいのだろうか?先生は知らないのだろうか・・・。それとも、知っているけれど、声だけかけてみただけかもしれない・・・。
「『でも』?」
そうやって首をかしげる先生はどうしても、『誘っただけ』には見えなくって・・・。
「わ!!たしは・・・『いらない子』なんでしょ?ここに来たから、毎日のようにマイク持った人達が集まってくるんでしょ?迷惑・・・なんでしょ?だから・・・やっちゃいけないって思うの。」
そう俯きながらしゃべると・・・。
「そっかぁ・・・。でも。僕は恋空ちゃんともやりたいな。それに。僕は恋空ちゃんを『いらない子』だなんて思わないし。それにね。『やっちゃいけない。』なんて思わなくっていいと思うんだ。周りのこととか、自分のこととかそんなものまだ感じなくたっていいんだよ。もしもそれで怖い思いや悲しい思いをするんだったら。俺らが絶対守るから。だから。お願い。気にしないで??」
そう言って笑う花畑先生。
「うん・・・うん!!」
そう言いながら泣いた私。
「で?何色やる??」
「・・・オレンジ!!!!!!!!!!!」
「恋空ちゃ~~んw早く早くww」
「オレンジ??うひょー。かっけ~~。」
「奏ちゃんは黄色でしょ!!」
「さぁ!!!悪の敵!!LOVE×2花畑魔人と戦うぞ!!!」
そのレッドの軽く嫌味を入れたw掛け声でみんながいっせいに戦いに行った・・・。