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あと六日

やばい・・・。


もう。2日目だ。


タイムリミットはあと、五日に迫ってしまった。


昨日は、あのまま普通に授業を受けて普通に過ごしてしまったし・・・。


しかも、昨日。「仲良くなったしるしに」って、咲都のメアドを貰ったしまった・・・。


どうしよう・・・。これ。一週間後には使われなくなってしまうし・・・。


かといって、メアド消すのも失礼な気がする・・・。


「はぁ・・・。」


私はひとつため息をつくと、ケータイを眺めた。


今の時間は7時20分・・・。


・・・7時??20分??


・・・やばい!!!!!!!!


早く行かなくっては、学校に遅刻だ!!!


がっと、荷物を掴んで玄関を出ようとしたのだけれど、少し。考えが変わった・・・。


そうだよ・・・。あと五日後には学校に行かなくなるんだった・・・。


だったら、今日無断欠席しようが関係なんだ・・・。


じゃあ。やってみようかな。無断欠席。


一回やってみたかったんだよねww


何しようかな。


そんな事を考えていると、


『ぴろろろろん…。』


ケータイから音がした。


メール・・・。誰からだろう??こんな時間に??


ケータイを開くと、そこには。


岡崎おかざき 連夜れんや


と、出ている。


「??連夜??どうかしたのかな??」


メールを見ると・・・。


『櫻田あああ。ごめん。俺風邪引いちゃってさ。今日学校休むんだわ。だからさ、先生に伝えといてくんない??』


・・・え?もしかしなくても、学校行かなくっちゃいけない状況??


・・・最悪。絶対行きたくないしww


あ。そうだ。


私は、急いでケータイのアドレス帳を開き、


連月 拓兎(つらづき  たくと)


と、目当ての人物を探し当てるとすぐにメールをした。


『ねぇ。今日さ、私休むんだww無断欠席wwでね、連夜が風邪引いちゃったみたいなんだけど、私学校休むし、拓兎言っといてくれない??』


多少、誤字脱字はあったものの、そのまま送信した。


『ぴろろろろん』


「はやっ!!」


そう思いながら開くと。


『まぢか。つか、それさぼりだろ。お前、馬鹿なんだから今休むと後ねぇぞ。進級できないならまだしも。大学いけねえだろ。ばーーか。』


うわ・・・。なんだこいつは、めっちゃ早くこんなメールを送りつけなくてもよかろう。


『いいじゃん、拓兎どうせ学校いくんでしょ?しかも、学校長の孫なんだからうまく言ってよ。』


と、すぐにメールを返す。


『ぴろろん・・・。』


・・・早すぎんだよ・


『別に、言ってやらんとは書いてないだろ。馬鹿が。それに、孫をだしに使うなや。』


・・・だしに使って何が悪い!!


使えるものは使うべきだろうw


『言ってくれないんだ?・そっか・・・。そうだよね。ごめんね。私。考えがすごい甘かった。

そうだよね。忘れてた。拓兎はすっごく意地悪なんだった。』


『ぴろろろろん。』


あぁ・・・。この着信音やめよっかな。


正直ウザくなってきたぞ。


『だぁあああ!!もう!!分かりました!!分かりましたよ!!うまく言っときます!!』


wwwwwwなんか、怒ってるぞww


『うんwwありがとうww』


・・・なんだかんだ言って、成功した系かな??


っていうか、取りあえず着信音変えよ・・・。


『ぴっ・ぴっ。』


と、着信音を変える。


(・・・何にしよう・・・最近の流行り・・?飽きちゃうよね。)


そうやって、ズぅーっと携帯をいじった。


「はぁ~~・・・。」


とうとう飽きてきた。


テレビでもつけて何かみようともしたけど、特に好きなテレビがやってるわけでもなんでもなかった。


「・・・ニュースは見たくないんだよね・・・。」


両親と兄が死んでからずっとそう。


悲しい言葉の羅列とその批判しか聞こえない。


『助かってよかったですよね。』


っていう言葉も、もう聞き飽きたし、しかも、その声は機械音のようにしか聞こえない。


本気で言ってたんだとしても、私には、どうしても。


『生きてしまった可哀そうな子達・犠牲にしてまで生きた子達』


っていう言葉にしか聞きとれなくなっていた。


あの日から・・・ずっと。


マスコミが病室に押し込んでくるイメージと、病院の前にずっといるイメージしかなかった。


もちろん。そんな私たちを


『可哀そう』だとか。『大丈夫・?』


って言ってくれる子はいたけれど、大人はみんな、私達を疫病神扱いした。


いつも、聞こえる悲しい声。怒りの声。


「あの子たちが運ばれてこなかったら、もっと手があいたのに・・・。」


そんな悲しい怒りの声のイメージ・・・。


・・・・・・・・・・・・違うな。


一人だけでも、ちゃんと居たんだ。


私たちを守ってくれる大人が・・・。


みんなが傷つけてしまっただけ・・・守ることが悪になってしまっただけ・・・


私が・・・守ってあげられなかっただけ・・・。


ごめんね。花畑先生。花畑看護師さん。


守って貰ったのに・・・守ってあげられなくって・・・。


ごめんね・・・。







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