表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

あと七日

さて。今日は1日何をしよう。


タイムリミットは1週間。


その初めとなる1日だった。


「・・・取りあえず学校に行くか・・・。」


取りあえず、何もすることが思い浮かばなかったので学校に行くことにした。


別に、あと1週間の命なんだから学校に行こうが行かないか関係ないんだけど・・・。


・・・・・・・・


『がらら・・・。』


朝。学校に着くと誰もいなかった。


朝、五時に起きてしまい、しかも、一週間なんてタイムリミットをつくったせいか・・・。


そのまま準備をして学校に来てしまったのだ。


私の家から、学校まで一時間かかるとしても、まだ七時。


朝練すらまだ始まっていなかった。


「・・・何しよう・・・。」


いざ。何かをしようとか、後悔しないように一週間過ごそうとかおもうと、何も思い浮かばなかった。


「・・・いろいろ考えとけばよかったかな・・・。」


そんなことを思いながら窓の外を見ると、一人の生徒が歩いていた。


「・・・早い・・・。誰だろ??こんな早い時間に・・・。」


こんな早い時間だ。いくら朝練をする人がいても、こんな時間になんか来ないはずだ。


「・・・変な人・・・。」


そう思いながらずっとその人を眺める。


(あ・・・校舎の中入っちゃった・・・。)


「誰だったんだろ・・・。」


そんなことを思いながら、未だに窓の外を見ていると・・・。


『がら・・・。』


「??」


扉が開いた。


「あ・・・。櫻田・・・。」


・・・誰だっけ。この人。えっと・・・見たことあるんだけどな・・・。ここに来たってことはクラス同じだよ・・・ね?


「えっと・・・。あ・・・うん。おはよう。えっと・・・。早いね??」


なんか。挙動不審だったかも・・・。


「ふっ・・・ふふっ。ははっ。櫻田のほうが早いじゃんw人の事言えねえってw」


「あ・・・ははww」


あ。思い出した。『花村 咲都』(はなむら さくと)だ。


この笑いかた・・・。妙に心地いいんだった。


たまにしか笑わないから、あまり記憶になかった。


「っていうか、なんで櫻田今日こんなに早いんだ??」


あ。そうだ。・・・なんて説明しよう・・・。


あんまし、一週間後自殺するって言いたくないしな・・・。


「えっと・・・。ちょっと悪い夢見ちゃってw気分が悪くなってw家にいると余計気分悪くなったからさ。外に出たくなって、そのまま学校に来ちゃったw」


別に嘘じゃないし・・・。本当に。気分が悪くなった。


「・・・そっかw気分悪い夢嫌だよなああ。俺も、この前見ちゃってさw最悪w」


そういってまた。心地よく笑う。


「ふふっww・・・ところで。花村君はなんでそんな早いの??」


私が尋ねると・・・。


「あっ!!!そうだった!!櫻田と話してると落ち着くからさwついつい長話しちゃったw俺さ、本当は、アリーナを掃除しに来たんだよ!!」


は??アリーナ??えっと・・・。なんで?え??


「えっと・・・なんで??」


「ん?もちろん!コートに感謝したいからだよw一年のころからずっとやってるw」


そう言って笑う花村君。


(・・・恥ずかしいこと言う人だなあ。)


『コートに感謝したいから』なんて。はずかし過ぎて普通は言えないはず・・・。


なのに、言えるってことは、本当に部活が好きなんだと感じる。


確か・・・バスケだっけ??うん。


「なんで・・・そんなに・・・一生懸命・・・なんだよ・・・。」


あ・・・。やばい。つい漏れてしまった言葉。こんなこと聞いたら、絶対嫌な気持ちにさせちゃう!!


「・・・。」


うわあああ。絶対怒ってる!!!


「ははっww『なんで』かああ。う~~ん。俺もね、初めはやる気すらなかったんだ。大好きな。尊敬してる先輩がずっと続けてて、それにくっついてたら、なんかやるはめになってww俺も、初めは謎だったんだけど・・・。先輩言うんだ。

『本当にバスケが好きなら、バスケをやるなら。まずは、コートに感謝だろ?コートがなくちゃバスケが出来ないwだから、せめてそんなコートを綺麗にしておきたいんだ。』

って。・・・ふふっww恥ずかしい先輩だろ???」


「そんな!!」


「ふふっwwでもね、俺。そういうこと言える先輩にあこがれてる。そういう風に。そうやって、いつか・・・。先輩をこえたいんだ。大学も、先輩と同じところに行くつもりw」


そう言って笑った。


「そっかwwうん。がんばって。」


花村君といると、楽しくなる。私もつられて笑っちゃう。


「ああ!!そろそろいかなくっちゃ!!じゃあな!櫻田!!」


そういって、教室から出ていく花村君。


「あっ!!うん!」


そう言うと・・・。


「あっ。そうだ。櫻田ww」


「??」


花村君が、立ち止まって言う。


「おれのこと、『咲都』って呼んでよ!!」


そう言って。また笑うと駈けていった・


「ふふっ・・・。変な人ww」


私は、そう笑うと、また窓の外を見た。


ようやく、朝練を始める人たちが何人か集まっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ