第18話 マフィア傭兵軍団との乱戦
夜明けの光が、バルセロナ 旧市街の高層ビル群の窓を赤く染める。
ファルコン家の所有するマフィアビル。
内部はすでに戦場だった。
傭兵軍団黒装束、
プレートキャリア、アサルトライフル。
統制の取れた動き。
ただのチンピラではない。
軍事訓練を受けた集団。
「来るぞ、二階通路!」
アレハンドロ・クルスが低く告げる。
直後――
ダダダダダダッ!!
弾幕。
壁が砕け、石膏が吹き飛ぶ。
岡崎たちは柱に身を滑らせる。
「突破する!」
沖田が前へ出る。
タキシードの裾が翻る。
床を蹴る。
一気に間合いを詰める。
銃口が向く。
だが
一の突き。
喉元へ。
ドスッ!!
二の突き。
みぞおち。
三の突き。
顎下から脳天へ。
新選組一番隊の血。
三段突き。
三人がほぼ同時に崩れ落ちる。
「前進!」
坂本龍太郎が廊下中央に躍り出る。
敵が曲がり角から飛び出す。
その瞬間――
キンッ。
静かな音。
居合。
抜き打ち一閃。
スパァァッ!!
銃を持つ腕が宙を舞う。
そのまま返し刃。
喉元を裂く。
若いが、鋭い。
「道は開けたぜよ!」
階段へ突入。
上階から手榴弾。
「伏せろ!」
爆発。
ドォォン!!
煙の中を、赤い影が駆け抜ける。
カルメン・ロペス。
紅蓮の闘牛士。
ナイフを逆手に構える。
アサシンのコマンド。
無音接近。
背後から頸動脈へ。
シュッ。
二人目。
膝裏を斬り、崩れたところへ喉。
三人目。
回転しながら腹部を裂く。
血が壁に扇状に飛ぶ。
「遅いわよ、子羊たち。」
激情の笑み。
そのまま回し蹴り。
銃を弾き飛ばす。
アレハンドロが前へ出る。
完全に軍人の顔。
近接格闘術。
一人目。
銃身を掴み、肘で喉を砕く。
二人目。
ナイフを抜く敵の手首を折る。
骨が鳴る。
三人目。
銃剣を奪い、腹部へ突き立てる。
四人目。
壁に叩きつけ、トマホークで側頭部を叩き割る。
動きに無駄がない。
殺すための動作だけ。
「クリア。」
だが次の部屋。
バリケード。
重火器。
機関銃が火を吹く。
ガガガガガガッ!!
床が抉れる。
沖田が横転。
坂本が机を蹴り飛ばし盾に。
岡崎が低く滑る。
その影の中を――
浮遊影の疾走。
一瞬で間合いを詰める。
刃が横薙ぎ。
シュバァッ!!
二人同時に倒れる。
カルメンが机を踏み台に跳躍。
天井梁に足をかけ、背後へ。
双短剣が閃く。
背中、首、肩。
三連殺。
アレハンドロが最後の一人を投げ飛ばす。
床に叩きつけ、喉を締め上げる。
一瞬で失神。
静寂。
血。
硝煙。
「上階だ……ロレンソは最上階だ。」
沖田が呟く。
階段を駆け上がる。
途中、傭兵が雪崩れ込む。
混戦。
銃声。
刃。
肉の裂ける音。
坂本の居合が閃き、
沖田の三段突きが貫き、
カルメンのナイフが踊り、
アレハンドロの軍隊格闘術が骨を砕く。
次々と傭兵軍団が倒れていく。
だが数が多い。
無線が飛び交う。
「屋上へ向かっている!」
ロレンソ・ファルコン。
復讐王はまだ逃げている。
最上階の扉。
蹴破る。
ドォン!!
朝日が差し込む屋上。
ヘリのローター音が響く。
バラバラバラバラ……!
風が吹き荒れる。
そこに、黒いコートの男が立っていた。
戦いは、まだ終わらない。




