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【全話 完結】令和の人斬り 《天誅》 天に代わりて、悪を討つ  作者: 虫松
第七部 反撃

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第二話 反撃開始

ズドオオオオオオンン!!!グシャアリ…


雷王丸の巨大な体は無力で場外に投げ出され、頭から突き刺さった剣山に肉体が突き刺さる。280キロの体重が雷王丸の首を押し潰し、顔は完全に歪んだ。


「うわああああ!!」場内は一瞬、静まり返った後、観客から大歓声が上がる。雷王丸がやられたことに、誰もが信じられないほど驚きと興奮の渦に包まれた。


岡田以蔵は、涼しい顔でその状況を見守り、静かに一言呟いた。


「地獄の閻魔がなぁ。永遠に針山が刺さる針山地獄で、お前を待ってるぜ。」


勝負は決まった瞬間だった。


一方、場外で見ていた尾上哲夫は、雷王丸の倒れた姿を目にし、驚愕しながらも悲鳴を上げた。


「ピカリン先生がぁあああ! 俺の野望がぁああ!!」


尾上は両膝を地面に突き、倒れるようにその場に崩れ落ちる。坂本忍が冷ややかな声で言った。


「令和の人斬りが勝ちじゃけん。お前の負けじゃ。」


尾上はその言葉に反発するように、拳銃を岡田以蔵に向けて発砲した。


「いやぁ俺はまだ負けていない! 令和の人斬り、死ねぇええ!!」


その瞬間、銃声が響く。


バアアアン!バアアアン!


「ぎぁああああ!!」

尾上が激痛に呻きながら、拳銃を落とす。肩を撃たれた尾上哲夫は、絶叫し、肩を抑えて苦しんでいた。


尾上の撃った銃弾の玉は、右に、それてスケートリンクの壁に銃弾がめり込んだ。


岡田以蔵は不適に笑った。


「お前の革命ごっこも、 もう終わりだ!」


「岡崎大丈夫か! 今から反撃ののろしぜよ!!」


観客席から坂本龍太郎が声を上げ、何の前触れもなく拳銃を持った彼が尾上哲夫に向かって発砲したのだった。


「岡崎? 今は岡田以蔵か? あれをやるぜよ!」


坂本は瞬時に視線を鋭くし、撃ったのは、あのモデルガンと言い張っていた黒い拳銃だった。


そして、坂本龍太郎は、突如として北島三郎の『まつり』を歌い始めた。歌声と共に、魏王と沖田壮一の軍団が、観客席から雪崩のように押し寄せてくる!


ワッァアアアア!!


観客席の尾上 彰義隊との間で、乱戦が始まった。激しい戦闘の中、岡田以蔵と坂本龍太郎が土俵を降り、急いでその場を駆け抜けていた。


「ほれ! やるぜよ!」


坂本が言いながら、木刀を岡田以蔵に渡した。


岡田以蔵がその木刀を取ると、坂本は、すぐにスケートリンク場の左端に向かって歩き始めた。


「まつりだ! まつりだ! まつりだ! 豊年まつり!」


坂本が熱唱しながら、木刀を握りしめ、岡田もそれに合わせて、木刀を構えた。


「行くぜ岡崎いや岡田!! 右からはお前! 左からは俺!」


坂本は意気揚々に告げると、再び勢いよく駆け出した。


「……居合抜刀剣! やるぞ!」


岡田以蔵は鋭い目で見据えながら、いざ戦いの準備を整えた。


ドンッ!!!


二人は、コンクリートの上を疾走する。まるで新幹線のようなスピードで、岡田は右から、坂本は左から走りながら時間差で居合抜刀をする。


居合抜刀剣!!

ズバァッ!!


「♪これが日本の ま つーーー りーだぁあーよぉぉ♪!!」

魂を揺さぶる北島三郎の演歌「まつり」が歌い終わった。


「俺の革命がああああ! ぐっくくそがあああ!」

尾上哲夫が涙声で必死に叫ぶ。


「とどめじゃ!」

坂本龍太郎が木刀を振り下ろし、尾上哲夫に上段斬りをしようとした、その瞬間だった。


シュゥゥゥーッ ピタッ!


「そこまでにしていただけますでしょうか、坂本様。」


老子が、坂本龍太郎の前に立ちふさがり、真剣白羽取りで木刀を止めた。


「わが主(金本知憲)がその者を、中国に連れ去り、生きダルマの刑に処します。」


坂本忍は、背後でその言葉を耳にして、大笑いをしながら言った。


「尾上、"生きダルマ"とは、中国で最も残忍な処刑方法だ。生きながら手と足を切断し、なぶり殺しにするんだぞ。」


尾上哲夫は、その言葉に恐怖を感じ、立ち上がることなく、その場に倒れ込んだ。恐怖と絶望が彼を支配し、ついには失禁し、倒れるようにその場に崩れ落ちた。


戦況は一気に有利に動き始めた。魏王の軍団と沖田壮一が、次々と尾上 彰義隊の兵士を青龍刀で刺し殺し、周囲に戦慄を走らせる。


沖田壮一も、その軍団と共に三段付きでどんどん制圧を続けていった。尾上 彰義隊はスケート場の出口に向かって逃げようとしたが、そこに待っていたのは…


「逮捕だあああ!!」


斎藤一樹と土方敏夫、そして七名の刑事軍団が、逃げる者たちを追い詰めていた。


豊島ランドのスケート場周辺は、大混乱とパニックに陥った。逃げ惑う者たちで、場内はごった返し、次々と戦いの激しさとその結末が決まっていった。


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