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【全話 完結】令和の人斬り 《天誅》 天に代わりて、悪を討つ  作者: 虫松
第七部 反撃

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決勝戦 延長戦(下)

岡田はふっと笑い、血の気の引いた唇を舐める。


「お互い人殺し同士……お前の考えてることぐらい、わかるぜ。」


雷王丸は拳を握りしめ、足を引いた。


「ツギノ コウゲキ デ オマエ コロス!!」


戦いは最終局面へ。


岡田以蔵は構えを変え、両肩倒立反動地獄投げの準備に入る。

雷王丸は雷神張り手を繰り出すべく、低く沈み込む。


土俵上の岡田以蔵は両目をつぶった。その様子を目の前にいる雷王丸は怒りで拳が震える。


「オマエ! ナメンナ! オレ、ライジン! カミナリ ハヤイ!!」


岡田は鼻で笑う。


「お前、雷神を名乗るには早すぎるぜ。雷なんて一瞬で光って消えるもんだろ? そういうのを世間じゃ“儚い(はかない)”って言うんだよ。」


雷王丸の怒りが爆発する。


「ダマレェ! オマエ、チッポケ! ザコ、ネズミ!」


【両肩倒立反動地獄投げ】

この奥義は巨大な体格と体重の相手を投げ飛ばすために開発された技である。体操選手のように相手の両肩に倒立、相手がとらえようとした瞬間に両腕をつかまえて両足を後方に倒して相手の背中にかかと落としをする。そして背中を蹴り上げ背中を海老ぞりのように反らしたあと、後方に投げ飛ばし相手の頭上を地面にたたきつける危険な技である。


岡田以蔵が目を閉じると、そこには雷が鳴り響く戦場が広がった。黒い雲が渦巻き、空を裂くような雷鳴が轟く。巨大な雷神がこちらに向かって突進してくる──そんな幻影が岡田の脳裏に浮かぶ。


「オマエ コロス!オマエ コロス!」


雷王丸が必殺の雷神のかち上げを岡田以蔵めがけて突進してきた。それは稲妻の雷神だ!

稲妻のように素早い動きで岡田以蔵に迫る。


しかし岡田以蔵はその場を動かない。


「……お前の雷、どれほどのもんか試してやるよ。」


岡田の体が自然と動き始めた。雷神に立ち向かうように、雷王丸の両肩へと飛び乗る。

そして両肩に倒立を決めた。


(マタ コノ ワザカ!ナゲルキ ダナ)


雷王丸は投げられまいと背中を丸めて全身姿勢になる。その様子をみて岡田以蔵は両足を顔面に叩き込んだ!


暗殺武術 肩風車!


「ギャアアアア」


雷王丸が悲鳴を上げた。

そして上半身が起き上がった。顔面を押さえる雷王丸!


「ナランは、 まるで ナラン!!ダメだなぁナランは!!!」


その様子をみて岡田以蔵はついに


暗殺武術 両肩倒立反動地獄投げを仕掛けた。


①相手の両肩に倒立

雷王丸の巨体をものともせず、岡田は見事に倒立。


②相手の両腕をつかむ

相手がこちらを捉えようとして両腕を伸ばすタイミングで、その腕をつかみます。この瞬間、相手の攻撃や反撃を防ぐ役割を果たします。


③両足を倒し、かかと落とし

倒立の状態から両足を倒し、相手の背中にかかとを落とします。この動きは相手に衝撃を与え、背中を打ちつける形となり、相手にダメージを与えます。


④背中を蹴り上げ、反らす

かかとを落とした後、すぐに背中を蹴り上げることで、相手の背中を海老ぞりのように反らせます。この動作が技の核心部分であり、相手の体勢を完全に崩します。


⑤後方に投げ飛ばす、頭を叩きつける

背中を反らせた後、最後に相手を後方に投げ飛ばします。この時、相手の頭が地面に叩きつけられる形となり、強い衝撃を与えることが目的です。


暗殺武術奥義 両肩倒立反動地獄投げ!!


雷王丸の背中に衝撃が走る。次の瞬間、岡田の足が弾けるように動き、雷王丸の体を海老ぞりに反らせ巨大な雷王丸を後方へ思いっきり投げ飛ばした。


(長かった 死闘も終わりだ!!)


「ぐああっがあああ!!」


ズドオオオオオオンン!!!グシャアリ…


そして雷王丸の身体はひっくり返り頭から場外にある剣山に突き刺さった。体重280キロが一気に雷王丸の首にのしかかる。雷王丸は顔がつぶれた。


うわああああ 場内から歓声が上がる。


「地獄の閻魔がなぁ。永遠に針山が刺さる針山地獄で、お前を待ってるぜ。」


勝負が決した。

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