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【全話 完結】令和の人斬り 《天誅》 天に代わりて、悪を討つ  作者: 虫松
第六部 決勝

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第一話 決勝戦会場

決勝戦の会場となる豊島ランドのスケートリンクには、大型クレーン車が轟音を響かせながら、巨大な剣を複数刺した剣山パネルを次々と搬入していた。作業員たちは慌ただしく行き来し、スケートリンクの氷上に壁に慎重に剣山を設置していく。彼らの額には汗が浮かび、緊張感が漂っていた。剣山の配置がランダムに決まるため、慎重な作業が求められる。


その様子を、金本知憲、坂本忍、尾上哲夫の三人が観覧席から見守っていた。クレーンのアームが大きく旋回し、重厚な鉄製の剣山が慎重に氷上へと降ろされるたびに、金属音が響き渡る。尾上はその光景を見つめながら、悔しそうに唇を噛みしめていた。


坂本忍が、隣の金本に声をかける。


「金ちゃん、氷上剣山デスマッチとは考えたのう。まさにデスマッチ、剣山に身体がささったら針の山地獄じゃけん」


金本は口元を歪ませながら、満足げに腕を組んだ。


「シノブちゃん、ただの氷上じゃつまらんだろ。ギャンブル性を持たせるために、スケートリンクの壁に全部剣山を設置するんじゃなくて、ランダムに配置することにしたんだ。」


「さすが金ちゃん、エンターテーナーじゃけん。」


坂本はニヤリと笑い、楽しそうにスケートリンクを見下ろした。目の前には、殺戮の舞台が着々と出来上がりつつある。


一方で、尾上哲夫はそんな二人のやりとりを、嫉妬の念を込めた目で睨みつけていた。彼の頭の中では、雷王丸が負けてしまう可能性が浮かび、それを払拭する策を必死に考えていた。


尾上の拳がぎゅっと握られる。


その様子を見ながら、尾上哲夫は心の中で嫉妬に燃えていた。


(このままでは雷王丸は負けてしまうかもしれない……何か手を打たねば)


そんな尾上の様子に気付いた坂本が、ニヤリと笑いながら絡んだ。


「お前、最近羽振りがええらしいのう。気をつけたほうがええで? 出る杭は打たれるっちゅうからな」


尾上は一瞬ムッとしたが、すぐに作り笑いを浮かべ、低姿勢に頭を下げた。


「とんでもない、皆様のおかげで何とかやってるようなもんですわ」


しかし、その心の中では(坂本忍。坂本龍太郎……いつかお前ら親子をぶっ殺してやる)と憎悪が渦巻いていた。


___________________________


一方、悪天必罰教の権田勇次郎と沖田壮一は中国から送信されるオンライン画面を見つめていた。

画面には決勝戦のハンデ戦である。


【雷王丸】

VS

【令和の人斬り・坂本龍太郎】


の賭けのオッズが映し出されている。


「悪の栄えた試しなし……」


権田が静かに呟く。


「もちろん、令和の人斬りと坂本龍太郎に10億円を全てオールインだ。この戦いに勝てば、いよいよ世の中は変わる」



沖田も頷く。

「御屋形様の理想の世界がもうすぐ実現をされのですね……」


(内閣総理大臣を後藤田実として操り日本は浄化される。決戦の時が近づいている)


その思いとともに、


豊島ランドのスケートリンクでは決戦会場の最後の仕上げが進んでいた。


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