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【全話 完結】令和の人斬り 《天誅》 天に代わりて、悪を討つ  作者: 虫松
第五部 死闘

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第六話 京都観光

岡崎洋介、坂本龍太郎、伊藤美香、そしてオリビアの四人は、京都の新選組ゆかりの地を巡る京都観光に出かけた。


最初に訪れたのは壬生寺だった。ここは新選組の屯所があった場所で、境内には彼らの供養塔もある。岡崎は静かに手を合わせ、幕末の激動の時代に生きた志士たちの無念を思った。


「オー、ここは疑念のヤイバの舞台デス!」

オリビアは興奮して、供養塔をスマホで写真を何枚も撮りまくっている。

何でもありだ。


次に訪れたのは 八木邸 。新選組局長・近藤勇や土方歳三が実際に使っていた場所で、かつて池田屋事件の作戦会議が開かれた場所でもある。


「洋介、もし幕末に生まれてたら、きっと新選組に入ってたんじゃない?」

美香が微笑みながら言う。


「いや、俺はたぶん浪人だな。喧嘩ばっかして、新選組に斬られてたかもしれない。」


「フフッ、それはそれでカッコいいわね。」

美香と洋介が笑い合う横で、オリビアが坂本の肩を叩く。


「サカモト、新選組ってヤクザみたいナノ?」


「アホか!新選組は幕府側の警察みたいなもんじゃ。わしら極道とは違うがじゃ!」


坂本はムキになって反論したが、オリビアは「フーン」と適当に流していた。


そして最後に訪れたのは 池田屋跡 。

現在は【海鮮茶屋 池田屋】となっており、観光客に人気の居酒屋だ。


「ここで新選組が一番有名な戦いをしたんダね!」

オリビアは座敷に上がるなり、刀を抜く真似をしながらポーズをとる。


「オリビア、何してんの?」

美香が笑いながら訊くと、


オリビアは

「カイダン落ちのアト 全員でコロシアイをします!」と胸を張った。

令和の世に物騒すぎる。


___________________________


事件は海鮮茶屋 池田屋の居酒屋でオレンジジュースやノンアルコールビールで乾杯をした後だった。

ここで伊藤美香から驚くべき提案があった。


「オリビア、あなたこれからも洋介の動きを逐次、私のスマホに報告してくれる?」


「エッ!? それってスパイ活動デスカ?」


「まあ、そんなところね。」


美香は平然とした顔で言った。


「ちょ、ちょっと待て!俺の情報を勝手に流すなよ!」

洋介は慌てたが、美香は涼しい顔で微笑んだ。


「だってあなた、無鉄砲なんだもの。私が見てあげないと。」


オリビアはニヤリと笑い、洋介の肩をポンと叩く。


「ダイジョウブ、サムライボーイ。ワタシ、あなたの敵じゃないヨ?」


そしてもう一つ、伊東美香は坂本龍太郎に対して

【血判の誓約書】 を用意していた。


「これ私が用意したの。これにあなたが自筆でサインして。岡崎洋介を絶対に極道にしないって、もし約束を破ったら、あなたの両手の指を全部切ることを同意しますって書いてあるから。」


「ひぃぃぃ!美香、おまん極道より肝が据わっちゅうのう!」

坂本は震えながらサインした、これを俺の母親に渡して安心をさせるらしい。


しかし、この旅の中で最も熱く、情熱的だったのは、美香とオリビアの間に芽生えた友情だった。

二人はお互いの手を握り、じっと見つめ合う。


「オリビア……なんだかあなたとはすごく気が合う気がするわ。」


「美香、ワタシもデス!サンサンサンシャインが好きな人に、悪いヒトいないヨ!」


そして二人は手を固く握りあうと同時に叫んだ。


「私たちは友情で結ばれる運命にあった。 それが私たちのディスティニー(宿命)だ!!!」


坂本と洋介は、その光景を見ながらため息をつく。


「おまんら、どこまで仲良うなるがじゃ……」


「俺の情報、全部オリビアと美香に流れるのか……はぁ……」


こうして、美香は京都駅で笑顔で手を振り別れた。

京都観光は無事に幕を閉じたのだった。


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