第一試合 一回戦
【ジャングルの王】
【テコンドー王者】
VIPルームの巨大モニターに映し出される二人の選手
京都の地下闘技場の薄暗い闘技場の中央に、二人の戦士が入場する。
周りは無機質なコンクリートの壁と金網に囲まれている。
ジャングルの王は獣のような黒い鋼の肉体と野獣の力を持つ男。
黒光りする筋肉はまるで鋼鉄の塊のようだ。
体重差があるため手首と足首には、それぞれ5キロの錘が巻きつけられていた。
テコンドー王者は華麗な蹴り技を武器とする男。
彼は静かに呼吸を整え、鋭い目でジャングルの王を見据えている。
場内に響くアナウンス。
「倍率発表! ジャングルの王 1.2倍、テコンドー王者 3倍!」
VIPルームでは、ヤクザの親分やギャングたちがカメラ撮影による巨大なモニターを見つめていた。
中国マフィアダブルドラゴンの金本は、腕を組みながら言う。
「やはり知名度の差が出たな……ジャングルの王が有利だ。」
審判員が鐘を鳴らす。試合開始のゴングが鳴り響いた。
試合開始!
ジャングルの王が両手を地面につき、チーターのような姿勢をとる。
—— ドンッ!
驚異的なスピードで相手選手への突進!
テコンドー王者が瞬時に回し蹴りを放つ!
しかし
「!?」
ジャングルの王はまるで獣のようにスライディングし、懐に潜り込む!
そして、ゴリラのように腕を振り上げると
「ジャングルアッパー!」
強烈なアッパーカットがテコンドー王者の顎を捉えた!
その瞬間、王者の体が宙に舞う!
だが、それで終わりではなかった
「ゴリラリアット!」
巨体を活かした強烈なラリアットが、空中のテコンドー王者を捉えた!
ドシャァッ!!!
コンクリートの地面に叩きつけられる衝撃音が響き渡る!
「ぐっ……!がああああ」
テコンドー王者はあまりの激痛にもがき苦しむ。
すでに勝負は決していた。
「ギブアップ! ギブアップだ……!」
彼が震える声で告げた瞬間
VIPルームでモニターを見ていた金本の表情が一変した。
「……貴様、何を言った?」
彼は静かに立ち上がり、冷たい視線を送る。
「貴様は、まだ闘えるだろう? ギブアップは認めない。」
テコンドー王者の顔が青ざめる。
戦慄しながら後ずさると、突如として金網に駆け上がり、逃亡を図ろうとした!
「逃亡……?」
金本は薄く笑い、首を横にかしげた。
スッ……
彼はゆっくりと首を切る仕草をする。
その瞬間、マフィアの部下たちが一斉にマシンガンを構えた!
「……逃亡は死に値する。」
ババババババババババッ!!!
銃声が鳴り響く。
テコンドー王者の体が大量の銃弾に貫かれた!
彼は悲鳴すらあげることなく、血しぶきを上げながら金網の上から落下をしてコンクリートの地面に血の塊が無残に倒れ込んだ。
( 闘わぬ者に、生きる資格なし。)
それが、この地下闘技場の絶対的なルールなのだ。
金本は、その光景を見て満足そうにほくそ笑む。
「これでいい……私がルールだ。」
血の匂いが漂う中、死体が片付けられ次の試合の準備が進められていく。
第一試合1回戦は、ジャングルの王が敵前逃亡により射殺により勝利となった。
次の2回戦は、令和の人斬り VS 盲目の毒手使いの選手が格闘闘技場の入口へと足を進めた。




