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あなたは俺のクレープ・フェアリー  作者: 雪玉 円記
1巻き目 再会は全く甘くなかった
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それでも俺は。

学校祭最終日の翌日。午前中にクラスの打ち上げに参加した後、幸直はアルバイトのためクレープ屋に向かう。

クレープの妖精さんがアルバイト先の店長という幸運を、幸直は学園祭の日からずっと噛みしめていた。

どうも顔面が緩みっぱなしになってしまっていけない。

だが、彼にとっては〝妖精さん〟との再会とその正体は、そうなってしまうに値する出来事だったのだ。

機嫌良く鼻歌まで諳んじながら、クレープ屋の制服に着替え、ロッカーを閉める。

そのままの足取りで、事務室に顔を出す。

パソコンに向かう水木の姿があった。ぱあぁ、と幸直の顔と気持ちが輝く。


「おはようございます、師匠!!」


ガバッと幸直は深々と腰を曲げる。そして顔を上げた。

横顔からも分かるほどに、水木は忌々しそうな表情をしていた。


「……店長と呼べ」


横目で睨みながらそれだけ言い、水木は再び事務作業に向き直る。

思わず「師匠……?」と幸直は呟く。

その言葉に、水木は視線を向けた。憎しみのこもったそれを。


「……お前みたいなガキを見てると反吐が出るんだよ、クビにされたくなけりゃとっとと働け!」


視線以上の憎悪に染まった声音で、水木は当たり散らす。

その剣幕に幸直は口を噤まざるを得なかった。


「……サーセン」


本当に、それしか返す言葉が見つからない。

幸直は頭を下げ、事務室を出るために踵を返す。

だがそれでも、どうしても彼は諦められなかった。部屋の外でドアを閉める寸前、彼はこう言い残した。


「……でも俺、諦めてませんから、弟子になるの!」


そのまま、返答を聞かず幸直はドアを閉める。

すぐに何か硬質で軽い物が、複数投げつけられたような音が内部から聞こえてきた。

ため息をついて、幸直は表に出る。

しょげている暇はない。クレープ資金のための労働が待ち受けているのだから。

「面白い!」

「応援するよ!」

「続きが読みたい!」


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