部活動見学
翌日俺は誰よりも早く教室に来ていた。そしてその次の日も。
続々と教室にクラスメイトたちが登校をしてくる中俺が注目するのはやはり佐藤由希だ。
仲良くなったばかりの二人と登校をしてきていた。
この教室でも他の教室でもそうだろうがいくつかのグループが3日目にして出来上がっていた。
俺にも話す程度の友人なら少なからずいるがグループというほどではないし基本は一人でいる。
常盤率いるリア充軍団や女子生徒だけで出来ているリア充軍団もできている。他には佐藤由希がいるような少数で固まったグループがいくつかと俺と彩瀬のように一人でいるやつと様々だ。
さて、放課後まで適当に過ごすか
『今日はここまで 今日から部活動の見学が始まるから見たいとこ見に行けー んじゃ解散』
と箸蔵は軽い感じで帰りのホームルームを終わらせた。
『部活なんか見にいく?』
と楓が会話切り出した
『私はやっぱりテニスかな』
『そうだよねー 日菜は?』
『んー、私はまだ決めてないから適当に回ろうかなって』
『私もそれに着いて行こー』
と楓を中心に放課後の部活動見学について話し合っていた。
楓と日菜は部活動を適当に周り由希はテニス部へ
それぞれ別れて向かう事になったようだ。
『俺も向かうか』
ともうほとんど誰もいない教室に独り言をこぼした。
向かう先はテニス部だが女子と男子ではやはり部活動の見学は異なっていた。
佐藤由希は女子テニス部 俺は男子テニス部だ。
軽く体験入部でラリーみたいなのをやったが昔少しやってたこともあって恥ずかしい結果にならずに済んだと思っている。
他の上手い生徒とかは
『上手いね 是非テニス部来てね』
など勧誘を受けているが俺には来ない そういうことだったんだろうと少し悲しくなったが納得した。
女テニの方はどうなっているんだろうかと気になり目を向けをるとちょうど向こうも体験入部が終わっていた。
『由希ちゃんだよね?テニス部入ってね!』
と勧誘を受けていた。
さすがに中学からテニスをやっていただけあって上手いということか
『はい! テニス部入る予定でしたので!』
と、笑顔受け応える由希。
テニス部に入ることは確定と。
そこで俺は体験入部を主に指揮を取っていた先輩に声をかけることにした。
『先輩部活って何時に終わるんですか?』
『そうだね だいたいいつも7時〜7時半くらいまでだよ』
『他の部活もそうなんですかね?』
『ほとんどそうじゃないかな 少なくともテニス部は男女ともにそのくらいだよ』
『ありがとうございます』
と、一礼を入れてその場を後にし帰りの支度を始める。
早めに帰り支度を終えて校門付近で佐藤由希の帰りを待つ。
すると、もうテニス部の体験で仲良くなったのか友達と談笑しながら歩いてくるのが見える。
『佐藤さんももうテニス部に決めてるんでしょ?』
『うん 冴島さんもだよね! これからよろしくね!』
『よろしく! お互い名前呼びにしよ!』
と、友達と仲良く会話してこちらに歩いてきている。
目の前を通り過ぎて行くのを見てその場を俺も去ることにした。
あれから数日たった休日の日曜日俺はあるカフェの向かいのベンチにマスクをして一人座っている。