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現状とそれから


 周囲の知的物より、言語を確認。

 アビリティ『知恵の恩恵』にアクセス。

 言語の理解に成功。

 必要条件達成を確認。

 スキル『言語理解』を獲得しました。


 俺の知らないうちに見るからにチートなスキルを手に入れてしまった気がする。というかチートだ。

 なぜって、俺、読めない本を眺めてただけだし…


《おめでとうございます。新しいスキルを…》


「おーい!!!」


《はい?》


「はい?ではなくいったいどうしてこんなスキルが手に入るんだ!?」


 訳が分からず思わずアテナに突っ込みをかます俺。あまりの展開に動揺を隠せない。


《必要条件が満たされたため新しいスキルの獲得に成功しました。詳しく説明しますと、マスターのアビリティの権能の一部を活用して、神のアーカイブに接続し、マスターの視界から得た外部の知識とこの世の…》


 冷静に語り出すアテナ


「あーわかったわかった」


 俺はアテナの話を遮りつつ悟った。


 この世界では前の世界の常識なんて役に立つわけない。そもそも、俺がこれから経験していくことは、少なからず初めてのものであふれているだろう。いちいちこんなことで驚いていては身が持たない 


 っとはいえ、いくら何でもぶっ飛んでる!


「それで、今回手に入れたスキルだが、『言語理解』ってやつだな」


《はい。相手の言葉や文字を理解するスキルです。たいていの言語を理解できるようになります》


 この状況下で、欲しかったスキルがうまい具合に手に入った。


 このスキルさえあれば、ここにある本から情報が得られそうだ。一体ここはどこでどんな場所なのか。そして、俺が宿ってるこの水晶の秘密もわかるかもしれない。


 改めて、周囲を確認してみる。そこにあったのは…


 魔道工学研究資料Ⅰ

 魔道薬学研究資料Ⅲ

 マナと鉱石の親和性研究成果

 魔道歴史学 etc...


「お!おお!おおおおお!!!」


 そこにあったのはまさにお宝。


 学者であればもちろん興味がわくであろう研究の数々が書かれた資料が壁一面に敷き詰められていた。


 もちろん、そんなの前にして俺は興奮を抑えられるはずもなく…


「これは魔道に関する研究!これはエネルギー変換に関する研究!こっちは魔道と科学の混合の…」


 我を忘れ壁一面の研究資料にしばらく胸を踊らせた。そして、、、


「ってこんなことしてる場合じゃない!」


 ふと我に返り、状況を整理し始めた。


 ここまで研究成果が置かれている場所だ。どこかの研究所で間違いないだろう。それに、周囲の雰囲気を見るにしばらく使われていない研究所の様だ。それに、置かれている本が魔道の研究成果やそれに関する資料といったものが多く存在している。きっと魔道関係の研究施設なんだろう。


 とりあえず場所はある程度把握できた。


「さて、どうしようか」


 そう。俺に課せられて問題はそれだけではない。


 なぜなら、今の俺は水晶だ。


 移動する手段もなければ、そこにある本を手に取ることすらできない。


 果たして俺はこれからどうすればいいんだ。


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