私、歴史になりました!!
これが初投稿作品です。楽しんで読んでもらえると嬉しいです。意見・感想などなどお待ちしてます。よろしくお願いします。
この日1人の科学者が全世界の歴史になった。
理工学系のあらゆる分野でノーベル賞を受賞、幾数多の人々を救うと同時に命を奪った天才科学者。
神、悪魔、変人、、、様々な異名がつけられた1人の男が存在した。
その名は、「天神 進」(あまがみ すすむ)
幼い頃から多くの賞を受賞し、高校生でノーベル賞を受賞、数多くの未解決問題を解決してきた天才である。
そんな彼の日常は研究、研究、研究、、、
ってそんなことあるわけないだろっ!!
いろんなこと言われてるけど、たかが人間なんだよ。それ以上でもそれ以下でもない。周りと同じ人間なんですよ。
そう。俺、天神 進は別に目的があって研究しているわけではない。気になったこと、気に入らないことを解決することに絶対的な執着心があるだけなのだ。
それは、研究や開発が誰かの役に立つことは嬉しいことだが、盛り上がられるのは大変迷惑な話である。
現に俺は目立つことは極力避けてきた。大抵目立った奴は最終的に面倒に巻き込まれるからである。
「…自由になりたい」
忙しくなってからは口癖になってしまった。そんな残念な天才の日常である。そして、今日も変わらずの日々を送っている俺に話しかける1人の女性がいる。
「…主任、今日も研究ですか?」
「ああ…」
力なく答える。
彼女の名は、「天喰 空」(あまじき そら)
他人と必要以上に関わらない俺にとって唯一関わりを持つ人物であり、俺の手伝いや身の回りのことをしてくれている。
「全く少しは自分の事くらいやりなさいよ。」
いつも通り片付けをする彼女。
小柄な容姿からよく小学生?と言われるくらいの見た目をしている彼女だが、この俺の助手も務められるくらいの天才である。
「おいおい、今忙しいんだ。説教ならあとにして欲しいんだが」
まあ、主にやってもらってるのは俺の身の回りの整理で、研究に関してはほぼ自分でやってる。つまりは俺のお世話係と言ったところだろう。
「今は簡単に手を離せないんだ。ここで間違えると俺たちは歴史の偉人の仲間入りだ。」
今、俺は機関から頼まれて薬品の実験をしている。もちろん、俺が行う実験が安全であるわけがなく当然のごとく危険な実験である。
「何バカなこと言ってるの。いくら神なんて呼ばれても自分のこともできないんじゃただのボンクラね。」
「返す言葉もないね。そもそもなりたくて神様になったわけではないんだが...」
なんて話をしてるときに悲劇は起こるもので、、、
必要な薬品を運んでいるそのときだ。
「あ…」
手から滑り落ちていく薬品入りの瓶。
その薬品は空気に触れたら爆発を起こす。
そして、周りにも沢山の危険物指定の薬品。
そう。
この日、俺は名実ともに歴史の人物の仲間入りとなったのである。