第78話 式典 2
四人の着替えが終わると、
「お兄ちゃん凄く似合っているよ」
俺のタキシード姿を見て言って来るミカ。
「お前達のドレスの方が似合ってるだろう」
三人の姿を見ながら言っていると、皆顔を赤くしている。
「ありがとう」
「別に嬉しくなんて無いんだから」
そっぽを向きながら言ってくる。
「嬉し~な、お兄ちゃんに褒められちゃったてへへ」
無茶苦茶照れているミカ。
「皆様、ご準備はよろしいでしょうか?」
俺の後ろから声がした。
振り向いてみると、執事さんが一人立っていた。
「すみません。大丈夫です」
「それでは付いてきてくださいませ」
前を歩き始める。俺達は執事さんの後ろに付いていく。
連れてこられたのは大きな扉の前だった。
「ここで少々お待ち下さい」
執事さんは何処かへと行ってします。
「凄い大きな扉ね」
あまり驚いていない様子のシェリー。
「本当に凄い大きな扉だが、俺達が魔族との戦闘で侵入したときは見なかったような気がするんだよな」
「また時間があるときにでも王様に聞いて見たらいいんじゃないかなお兄ちゃん」
「そうだな」
俺達が目の前の大きな扉について話していると、部屋の中より声が聞こえてきた。それと同時に目の前の扉が開く。
「英雄ソウルメイトの皆様のご入場!」
その言葉とともに中へと入っていく。
部屋の中には多くの貴族や使用人の人達、それに王都の住民達がいる。
「ありがとう!」
「ソウルメイト最高だ!」
「ケンイチ様カッコイイ!」
拍手とともにいろいろな声が飛び交っている。
部屋の前の階段の上に王様達が座っており、その前までメイドさんに案内されていく。
王様達の前まで来ると、メイドさんは部屋の隅へと戻っていった。
俺達は膝を着き頭を下げた状態で王様の言葉を待つ。
「表を上げよ」
その言葉と同時に頭を上げる。
「今回の魔族の襲撃という国の災難に駆けつけてくれたソウルメイトの皆誠に大儀であった」
王様から感謝の言葉を頂く。
「ソウルメイトの皆はまだ十代で成人しているのも一人だけと言うとても若い冒険者パーティーである。それにまだ冒険者になってからたった二ヶ月ほどしか経っていないにもかかわらず今回のとても危険な依頼を受けてくれたとても勇敢な若者達である」
王様の口からパーティーの紹介が行われた。
「まずこのパーティーのリーダーケンイチ殿はまだ十一歳とパーティーの中で一番若いにもかかわらずソウルメイトのリーダーを務めておる。剣の腕も一級品で一人で何十もの魔族達を倒したのじゃ」
それからシェリー、ヒョウカの順番に紹介が行われていった。
「それでは彼らに例の物を」
俺達の紹介が終わると王様の言葉を受けて、部屋の隅にいた執事の人達四人が俺達の元へとやって来てバッチらしき物を服に付けてきてくれる。
「王様これは?」
なんだか分からず聞くと、
「それは我がセレモニア王家の紋章である。今後わしら王家がお主達の後ろ盾になると言う証じゃ」
とんでもない物をもらってしまったみたいだ。
「それからこれも」
一人の執事の人から袋をもらう。
袋はとても重く少し中を見てみると、見たことの硬貨が入っていた。
「今回国を救ってもらった報酬として白金か四十枚を贈呈する」
また凄い物を、
「王様こんないいただけません」
一度断ろうとするが、
「何を言っておるか、お主達は一国を救った英雄。白金か四十枚でも少ないくらいじゃだから」
「お父様、続きは私から」
王様が話そうとしたところエレナ様が割って入る。
「ケンイチ様達にはSランク冒険者に昇格していただこうと思っております」
頭の上にはてなマークが浮かんだ。
「Sランク冒険者とは何なのですか?」
あまり聞き覚えのない言葉に思わず聞き返してしまった。
「Sランク冒険者とは、冒険者達の頂点に立つ冒険者達です」
それからも説明は続いた。
Sランク冒険者、王家直属の冒険者である。Sランク冒険者になるためには王家やそれに相当する者紹介がなければなることが出来ない。逆に言えばEランクであろうと王家の紹介を得られればなることが出来るのである。
Sランク冒険者は宿代や買い物代、食事代は半額に、通行税は全て免除になる。
その上で受ける全ての依頼の報酬が少し増える。
ただ、Sランク冒険者には一つだけ義務づけられていることがある。もしも自分の従える国に何か起きたとき何があろうと率先してそれに対処しないといけないのである。
エレナ様からの説明を聞き、断ろうと思った瞬間、
「今回ケンイチ様達にSランク冒険者になっていただく上でこちらから一つ提案がございます」
「何でしょうか?」
「Sランク冒険者は、皆どうしてもその国に縛られてしまいます。ですが今回ケンイチ様達皆様を縛ることはいたしません。これからも自由いろいろな国に行っていただいても構いません」
「ですがもしこの国に今回みたいな危機が訪れたときはどうされるのですか?」
いくら縛られないと言ってもSランクには国の危機に対しては率先して行動しないといけない義務がある。そしてそれはいつ起こるか分からない。
「それならご心配なく。先程ケンイチ様達にお渡ししました王家の紋章、それは通信用の魔法道具にもなっております。もし何かありましたらそちらにご連絡いたします」
それを聞いて他の三人の顔を見てみるとこちらを見て頷いていた。
「どうでしょうか?」
返答が返ってこずに聞いてくる。
「ありがたくお受けいたします」
俺の返答を聞き笑顔になるエレナ様。
それ以降も報酬や勲章の授与が行われ式典は終了となりその後パーティーとなるのだった。
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