第52話 ミリセレス村の事件 2
夜。
「コンコン、コンコン!!」
「シェリー、ヒョウカ、ミカ。」
シェリー達の部屋をノックしながら3人の名前を呼ぶ。
「少し待って今準備してるから。」
すぐに返事が返ってくる。
「分かった。宿の前で待ってるからすぐ来いよ。」
「了解!!」
それだけ告げて、先に宿の外に出る。
昼間は、少し暖かかったが、まだ春先で夜はひんやりとしている。
空を見てみると数えきれないほどの星が見えた。それを綺麗だと思っていると、
「お持たせお兄ちゃん。」
「待たせたわね。」
「遅くなりました。」
3人が出てきた。
「それじゃぁ行くか。」
「おー!」(シェリー・ヒョウカ・ミカ)
宿を離れて村の中を見回っているが通り魔の気配どころか、人の気配すらない。
「ケンイチ何か感じる?」
「まったく人の気配すら感じないよ。」
「本当の通り魔なんているのかしら?」
「いるでしょ。店にあんな張り紙がしてあるくらいなんだから。」
「そうよね。」
全員本当に通り魔なんて現れているのか疑問に思い始めていたその時、
「きゃー!。誰か助けてー!。」
女の子の悲鳴と助けを求める声が聞こえてきた。
「今の声何かしら?」
「分からないが助けを求めているし、声のする方へ行ってみよう。」
「そうね。」
声のする方へと向かった。
ケンイチ達が見回りをしていたころ、
「少し夜風にあたりたいから出てくるね。」
1人の少女夜の村へと出ようとしていた。
「1人でいかれるおつもりですか。」
「そうよ。だって1日中あなた達と一緒だと疲れるんだもん。」
「それはなりません。私達はあなたのお父様に何がおろうと守るようにと言われているのです。」
「大丈夫よ。さすがにここまでは襲ってこないわよ。だから少しだけお願い。」
少女は護衛の人達に手を合わせてお願いする。
そこまでされてはと思い、
「早めにお戻りだけお願いいたします。」
「分かったわ。」
少女はそれだけ言い宿を出る。
「やっと一人になれた。」
宿を出て護衛の人達が見えなくなった辺りでぼそり呟いた。
「なんでそんなことになったの。ほんの数週間間前までは凄く穏やかでパパ、ママと平和に過ごしていたのに、なんでこんなことになったの。」
目から涙が出てくる。それが拭いても拭いてお止まらない。
「ウェ~ン、ウェ~ン。」
泣き叫んでしまった。今までは護衛の人達が近くにいて泣くことが出来なかった。でも今は、自分1人。
何かが外れたように涙が出てきて泣くのをやめられない。
すると、
「今日はいい獲物がいるな。」
後ろから、何か怪しい声が聞こえてくる。
振り返って見ると、そこにはどうしても肌は紫色の人ではない者がいた。どこかで見たような気もするが恐怖のあまり思い出せない。
「バ・ケ・モ・ノ。」
声を震わしながら言った。
「化物とは失礼だな。俺様は、魔族だぜ。そんな得体のしれない者みたいな言い方はやめてくれっといってもここで死ぬ奴にこんなこと言ってもしょうがないな。」
なんで私ばかりこんな目に合うの。誰か教えてよ。
少女は、心の中で思ってしまった。そして、魔族という名を聞いて思い出した。
「あ、あなたお、王都を襲ったやつらのな、仲間なんでしょ。」
声を震わせながら言う。
「そうだとしたらどうだってんだ?」
心の中に恐怖と怒りが芽生えたが腰が抜けて動けない。
「きゃぁ-!誰か助けてー!」
大声で叫んで助けを求めた。
心の中で、早く誰か来てと思いながら。
俺達が声のした所に着くと、少女が1人尻もちをついて倒れている。その前に通り魔と思しき人影が見えた。
それを見てすぐに、
「シェリーとヒョウカにミカは倒れている女の子を保護して。通り魔の相手は俺がするから。」
「了解。でも無茶しないでね。相手が何者かもわからないんだから。」
「頑張って。」
「こっちは任せといて。」
女の子の元へと移動すると、シェリー達3人は女の子を保護するとすぐにその場を離れた。
そして俺は、
「あんたがここ最近この村に現れている通り魔さんかな。」
近くで見てみると人とは明らかに違う肌の色。それに耳も少し大きかった。
「通り魔か~。面白いこと言うな。」
「違うんですか?」
「違うね。俺様は魔族だからな。」
なんじゃそらそりゃ?どこかで聞いたことあるような気がするが思い出せない。
「なぜ、魔族さんがこの村で毎晩のように人を襲っているんですか?」
「上からの命令だからさ。だが家にいるやつを襲っても面白くないと思ってな外にいるやつを狙っているわけだ。」
「ではなぜ今まで襲った人を殺さなかったんですか?」
「ただいたぶって楽しんでいただけだよ。でもそれにも飽きてきたんでそろそろ殺していこうかと思ってな。そんなところにあの嬢ちゃんが現れたんで殺してやろうと思っただけさ。」
意外となんでも話してくれる。口が軽いな。
「そんなところにお前らが来て俺はうれしいんだぜ。」
「どういうことでしょうか?普通この場合嫌がるものじゃないですか?」
「普通はそうだな。だが。お前ら見たガキが何人来たところで相手にもならないよ。」
「それはどうでしょうね。」
「面白いことを言うな。もしかして俺らの魔族のことを知らないのか。」
「ええ、知りませんがそれがどうかしましたか?」
「なら。体に教えてやるよ。俺ら魔族の強さをな。」
「それは楽しみですね。」
異空間収納より剣を出して構えて戦闘体勢に入るのだった。
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