第26話 村での剣術大会 1
朝の日差しで目を覚ました俺達は5人で朝食を食べていた。
「そうだケンイチ、1学期の成績はどうだったんだ?」
唐突に父さんが聞いてきた。
「パパ急にどうしたの?」
「急にじゃないぞ。親って言うのは、子供の成績が気になる生き物なんだ。」
「そうなんだ。一応学年トップの成績だったよ。」
それを聞いた父さんと母さんは、
「よくやったな、さすが俺の息子だ。」
「そうね、さすが私の息子ね」
2人の言葉を聞き、親ばかだと思った。
「シェリーちゃんとヒョウカちゃんは成績はどうだったのかしら?」
「私は、ケンイチ君に続いての2位でした。」
「私は、その次の3位です。」
シェリーとヒョウカは母さんの質問に答えていた。
「2人とも凄いのね。ケンちゃんは、いったい何処でこんないい子達と知り合ったのかしら。」
「別にいいでしょ。何処でだって。」
「あら、ケンちゃん照れてるの?」
俺は、なんとか母さんの質問から逃れたと思った矢先に、
「入学試験の朝、上級生の人に絡まれているとこを助けてもらいました。」
ヒョウカが答えた。母さんは、それを聞いて
「何それ?もっと詳しく聞かせてくれないかしら。」
母さんからもっと聞きたいと言われたヒョウカは、入学試験の朝にあった出来事について母さんに説明した。それを聞いた母さんは、
「やるわねケンちゃん。格好いいわよ。」
俺に言ってきた。俺は顔を真っ赤になって何も言えなくなってしまう。
「それでどっちがケンちゃんの彼女なのかしら?」
母さんは、俺の状態などお構いなしに質問をしてくる。この質問に関してはシェリーもヒョウカも顔を真っ赤にしながらうつむいてしまった。
「母さん。そのことは追々聞いて行けばいいんじゃなか。」
父さんが助け船を出してくれた。
「しょうが無いわね。でもまだ夏休みも始まったばかりだしね。」
母さんの言葉を聞いた俺達3人は、安堵のため息をついていた。
「そう言えばケンイチ、剣術大会に出て見る気はないか?」
「何それ?いつあるの?」
「そう言えばケンイチは知らなかったな。毎年この時期に行われてる大会でな。来週この村の広場で行われる予定だ。去年の大会では父さんが優勝したんだぞ。」
この村で毎年剣術大会が行われていることを始めて知った。
「その剣術大会には、どんな人達が出るの?」
「参加するのは、大体がこの村の冒険者達だ。お前の腕試しには、丁度いいだろ。」
俺は確かにと思った。
「分かった。参加するよ。」
それを聞いた父さんは、凄く嬉しそうな顔をしていた。するとシェリーが、
「済みません、お父様。私もその剣術大会に参加できますでしょうか?」
「それは構わないが、シェリーちゃんは見たところ魔術師みたいだけど大丈夫かい?」
「大丈夫です。私の剣術が何処まで通用するか試してみたいのです。」
シェリーの言葉を聞いた父さんは、
「よし分かった。ついでにこの家にいる間は俺が稽古を付けてやろう。」
「ありがとうございます。お父様。」
シェリーはとても嬉しそうだった。
「私も、一緒に稽古受けさせてもらっていいですか?」
「いいぞ。ヒョウカちゃんも一緒に稽古しようか。ケンイチも久しぶりにどうだ?」
「俺はいいよ。」
父さんからの誘いを断った。
俺達は、朝食を食べ終わった後、シェリーとヒョウカの稽古が開始された。その間俺は、家の裏山で1人でトレーニングをしていた。
それから1週間が経ち剣術大会の日を迎えた。村の広場には、冒険者と思しき人集まっておりその中で俺とシェリーはかなり浮いていた。
「それではこれより第38回ハイネ村剣術大会を始めます。」
村長さんからの大会開始の宣言が行われた。大会のルールは学期末試験の模擬試験と殆ど一緒で、唯一の違いはこの大会では魔法が使えないと言うことぐらいだった。この大会の闘技場は、ヒモで正方形に囲っただけの凄く簡単なものだった。
村長からのルール説明が終わった後、対戦順を決める為のくじ引きが行われた。今回の大会の参加人数は俺達を入れて16人であった。くじ引きの結果俺は、3試合目に、シェリーは7試合目に決まった。そして俺達が当たるのは決勝戦になった。
「ケンイチ、私と決勝戦で当たるまで負けるんじゃ無いわよ。」
「それはこっちの台詞だよ。」
シェリーは、俺を指さして言ってきた。
「見てなさい。この1週間での私の成長を見せてあげるんだからね。」
それだけ言って、離れていった。俺は1回戦を見ようと闘技場へと向かった。
1戦目と2戦目は実力の差がありすぎてすぐに勝負が付いてしまった。見ていた観客の人達も凄くつまんなそうにしていた。
「それでは1回戦第3試合を始めます。選手の方は闘技場にお集まりください。」
そのアナウンスを聞き、闘技場へと向かった。
「ケンイチ頑張れよ。」
「ケンちゃんファイト!!」
「ケンイチ君頑張って。」
父さん達の声援を受けながら闘技場へと入って行った。
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