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7話

 

 静かな場所にひっそりと建つ豪邸。この豪邸の一室に、黒髪の男と美しい金髪の女がいた


「南野様、ターゲットはようやく気が付いたようです」


 メイド姿の美しすぎるほどに美しい女が言った


「馬鹿が!ようやく気付いたか、遅すぎる」


 地味ではあるが座り心地のよさそうな椅子に深く座った男が言った。


 彼の名は南野みなみの 緑田りょくた。異世界転移した日本人


 南野の仕事は情報屋。彼の所持する特殊スキル「全面開示」はターゲットの情報を全て丸裸にすることと、印刷することが出来る。


 今回の騒動は彼が仕組んだこと


 原因を作ったのは勇者チャン


 勇者チャンは最近になって姿を現した黒龍の討伐を国から命じられた。


 黒龍とはこの世界ができた時から生きていると言われるほど古くから存在し、たとえ魔王でさえも手を出さないと言われるほどアンタッチャブルな生物


 種族を問わず黒龍に挑んでいったものはすべて滅びたという伝説の龍。近年は姿を見せず生存すら疑われていたが、最近姿を見せるようになった


 テンスター国国王はそんな黒龍の討伐を命じた。無能ではあるが利用価値はある国王にしたがい、勇者チャンは黒龍討伐をしぶしぶ決意した。


 そしてその為に国で一番といわれる情報屋に黒龍の情報収集を依頼した。情報は戦闘においての生命線。チャンもそれは分かっていた。


 そして情報屋は見事に期待通りの情報を与えた


「5億5千万Gになります」


「ふざけるな!そんな金払えるか!!お前みたいな平民がこの勇者チャンに口を聞いてもらえるだけでありがたいと思え!」


 チャンは言った。


 勇者チャンは金を支払わなかった


 その金額は彼が支払う事の出来る額を大幅に超えるものだったからだ。彼はその傲慢さゆえに事前に金額を確認することもしなかった。


 情報に通じている者であれば当然知っているのだ。南野が経営する情報屋「ゴールド&シルバームーン」は確実に正しい情報をもたらすがとてつもなく高いのだという事を


 それが引き金だった。


「南野様ご安心を。もし勇者チャンが来たとしても、指一本触れさせることはありません」


 美しきメイドは言った。その言葉には虚言にはない力があった。


「お前らなら当然それができるだろな。そこに関しては全く心配していない」


 メイドはうっすらと笑みを見せた。主人が自分たちを勇者以上の実力者だと認めてくれていることが嬉しかった


「それ以前に奴はこの場所を突き止める事は到底出来ないだろう。ここの全ての情報は封殺してあるからな」


 情報は自分にとっての生命線。この世界の誰にも負けるつもりは無い。ここの点において出し抜かれることはあってはならないこと。だから万全を喫している。



「勇者チャンは大魔導士ソロと共にテンスター国の店舗に向かいました。そちらのほうは現在、配下のUS3とレッドシューズが対応しています」


「あの二人か、さぞ面白いことになるだろうな」


「ええ、二人も張り切っていました」


 美しい女は柔らかな笑顔を浮かべ楽しそうな主人を見た


「おっこの紅茶美味いな、クッキーもいい。腕を上げたなサロナ」


「有難う御座います」


 美しいメイドと、美味いクッキーと、香りのいい紅茶。


 犯人が優雅なひと時を過ごしていることなど、必死すぎる勇者チャンは知る由もなかった




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