4話
勇者チャンは一睡も出来ぬまま朝を迎えた
「見つからないだと!?ふざけるな!そんな事あるわけがない!!!」
昨日の朝から専属部隊の人間が3時間おきに報告に来ているが「情報はなにもありません」の繰り返しだ
「ビラを撒いた人間がいるに決まってるだろ!!」
「空から降ってきているのです」
「馬鹿なことを言うな!!!」
ありえない事ではあるが実際その通りだった。ビラはただ空から降ってきているのだ。ありえない事が起きているのだ
「今も降ってきていますし、他の街や村にも降っています。それも時間が経つごとに新しいゴシップ記事の最新号が降ってくるのです」
「ッゴホッッ、ゴホッゴホッゴホッ」
勇者チャンはその報告に驚きのあまり、むせて咳が止まらなくなった
「現在の最新はこちらです」
ひったくるようにそのビラをとった
<勇者チャン 国王陛下に対して豚!俺に寄生してるだけのクズ発言>
<勇者チャン 家政婦のパンツを盗む>
<勇者チャン プーチャル教の最高司祭に対して魔力ゼロの詐欺師発言>
<勇者チャン マジックバッグを使ってスリ>
<勇者チャン 他国への亡命計画>
「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
息ができなくなった
「こ、これは・・・ここで部隊長に言った言葉ではないか!?」
ほかの記事にも驚くが、昨日部隊長の前で王のことを「豚!俺に寄生してるだけのクズ」がそのまま記事になっている
「どういうことだ・・・この家の者が裏切っているのか?それとも部隊長が裏切っているのか?」
周りの人間に対して疑いの気持ちが芽生え始めた。勇者である自分が部外者の侵入に気が付かないはずがない
「全員出ていけーーーーーーー!!!!!!!!」
勇者の顔色はもはや真っ黒だった