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31話

 



 借金の手続きが決まってからの出来事は、驚くほどの速さで進んでいった。


 まず、俺が見つけた魔武器『追炎のナイフ』は、公式のオークションへ出品することが決まった。普通の店で二束三文で買い叩かれるよりも、競りにかけた方が遥かに高値で売れる可能性が高いからだという。


 ただし、そのためにはいくつもの手順を踏まなければならなかった。


 まずはオークション会社が公認する鑑定士による鑑定を受け、その審査をパスした上で、競りの当日まで待たなければならない。時間もかかれば、当然ながら手数料も取られる。


 その出品手数料を少しでも抑えるため、最初に世話になった魔武器魔道具店『リトルフラワー』の店主・ミナエさんを代理人に立てることにした。個人が直接出品するよりも、店を通した方が手数料の優遇を受けられるからだ。


 そして俺は今、その第一関門である鑑定結果を待っている最中だった。まずはこの鑑定をクリアしなければ、何ひとつ始まらない。


 だが、そのハードルは想像以上に高かった。


 鑑定結果が出るまでに最低でも二週間。その上、提示された鑑定料は「百五十万ゴールド」という恐ろしい高額だった。さらに無事に鑑定をパスして「鑑定書」を発行してもらうには、追加で「三十万ゴールド」がむしり取られる。


 正気の沙汰とは思えないぼったくり価格に思えたが、ミナエさんもデルモンドも、「こんなものだ」と口を揃えて言っていたのでそれを信じるしかない。


 この世界において、『鑑定』というスキルの価値がどれほど絶大なものなのかを、俺は身をもって痛感させられていた。


 こうして鑑定結果が出るまでの間、すっかり暇を持て余すことになった俺は……なぜか高級テーラー(仕立て屋)に来ることになり、身丈や肩幅のサイズを細かく測られていた。







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