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ネトゲを始める君へ  作者: 3244
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第1章 部隊って何ですか?

15歳の俺、いまだに厨二病感染者。不治の病なので仕方がない。


そんな俺の目の前に広がっているもの、それは…。

「えっと、これで登録完了っと。」

俺の名前はシロ、なけなしのお小遣いを貯めて買ったパソコンで、あるネットゲームのアカウントを作成していた。

そのゲームの名前は『幻想世界の戦争』だ。うん、かっこいい。

「ファイルチェック完了、アップデート完了、よしリンク・スタート!」

どこかの黒髪ハーレム少年の世界の言葉をつかっても、もちろん反応なんてせず、ただ起動されるのみだった。


「名前の登録か…、シロでいいや。」

かっこよく、ダガーマークで囲ってみたり。

チュートリアルは、サボらず流しながら見た。

そうなのだ。俺は少しだけ大人びているから(自覚していて痛いとも思っている)基本は大事ということを忘れていない。

「どの国に所属するか、5つの内から選んでください?んー、黒色の国でいいや。」

基本的に適当だ。人生はそんな感じで生きている。

「うわあ!キレイだ!」

初めてのネットゲーム、自分のパソコンは低いスペックなので最高画質の選択はできないが、本当にキレイなグラフィック(言ってみたかった)だ。


すると、突然チャット欄がピロロン!と音をたてながら点滅した。

「こんにちは!君、うちの部隊に入らない!?」

俺は驚いた、独り言はノリノリだが人見知りコミュ障なのだ。知り合いはいけるのだ。いや本当だ。

チャットの打ち方もよくわかってないので、どうすればいいかグーグル先生に力を借りつつ、返信した。

「部隊ってなんですか?」

「部隊っていうのはね、えっと、とりあえずチュートリアル戦場1にきて!」

「はぁ…」

ていうか、チュートリアル戦場1ってどこだよ。と思いながら、またもや先生に力を借りた。ほんと先生なんでもできる。先生になりたい。


「ようこそ!我が部隊『DOLL』へ!」

まって、まだ入ってないぞ。

「あの、部隊って…」

「あー!忘れてた!えっとね、部隊っていうのはチームのこと!ほら、私の名前の上に『DOLL』ってあるでしょ?」

「はい…」

どうやら、俺を誘った方は女の人のようだ。

「あ、その前に自己紹介忘れてた。私はユリ。よろしくね!」

「よろしくお願いします。シロです。」

「シロちゃんって言うんだ。かわいい~!!」

(かわいいっていってる人は自分がかわいいと思っているってどこかのテレビでやってたなぁ。)

そんなことを思いながら…、俺がネットゲーム初心者で、ネットにもあまり詳しくない、そもそもパソコンに慣れていないという話をざっくりした。

「へぇ~そうなんだ!それじゃ基本動作から説明するね!」

「え、あの、基本動作ってチュートリアルでやったアレですよね?WASD移動とか。」

「そうそう!だけどね、基本動作はとても大事なの。ちょっと勝負してみない?」

勝負事は好きだ。特に集中する感じが。あっさり俺は受け入れてしまった。基本動作はチュートリアルでやった通り、少しだけならわかる。


「準備OK?」


「OKです。」


始まった。

キーボードをチラチラ見ながら、左手に盾、右手に剣を構えて前進した。スキルスロットをバーニングスラッシュ決めて、前進した。

しかし、俺の剣は彼女の体に一度も触れることはできずに倒された。


「いえーい、私の勝ち。」

彼女はにっこり笑っていた。

また、駆け寄って、「ね!基本動作って大事でしょ?」

正直、何かのアイテムを使われた、などと思っていた。

「どういうテクニックを使ったんですか?」

俺は好きなことには妥協をしたくないのだ。

「いいね~その向上心、リアルでも大事にね~。」

彼女はおそらく長女だろう。この悟った感じ。

「私はね、ステップキャンセルっていう技術を使ったの。」

説明しよう、ステップキャンセル(通称ステキャン)とは、Eボタン又はQボタンを押してステップを発生させる。ステップ中は無敵なのだが、ステップが入力されるまで、またステップが終了された瞬間、どちらも大きな隙が生まれる。その隙、いわゆるキャラクターの硬直を消す技がステキャンなのだ。


俺は、このような小技が大好きだ。もっと知りたいという欲求のせいで受け身がちの自分とは対照的に、積極的な態度をとった。

「部隊、入りたいです!」

「うん!よろしく!」


俺の新しい生活が始まる。

次回、「戦争の準備をしよう!」

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