1-3:水晶玉
「そうは言っても映像だけですが。」
「どうゆうことなんですか?」
すると彼は、水晶玉がぎっしりつまった棚の角から小さな水晶玉を取り出し、私の前に差し出した。
「…これが何なんですか?」
「覗いてみて下さればわかりますよ。」
彼はほっそり微笑んだ。私は不審な目でとりあえず言われた通りに覗いてみることにした。綺麗…だけど少し濁った色…紫に茶色って感じかしら…。?!いきなり違う色に変わって…これは…。私?それと…美佳だ…。今日の朝のホームルーム終わった休み時間の時の映像だ…。
「美佳〜。トイレ行こ〜!」
「一人で行きなよ〜。今忙しいの!」
「ケチ〜」
そう。それで私、一人でトイレに行ったんだよね…。
「てかさ…。香菜子ウザい。いつもうちにばっかり頼ってくるしさぁ…。いい加減ウザいんだよね…。」
「やめなよ〜美佳〜。戻って来ちゃうよ。でも、さっきの振りかたウケる。どこが忙しいんだよ美佳〜!」
「だってめんどいじゃん!トイレぐらい一人で行けないわけって感じ!そうだ!何かあいつの持ち物隠して、頼ってくるか試そうよ!そんで賭しよう!」
「いいね〜!うち頼る方に百円!」
「ずるい〜!うちも頼る方に千円!」
「それじゃぁ、頼らない方がいないじゃん〜!」
アハハハハ……
「………。」
「ね〜!美佳〜。消しゴム貸してぇ?」
「…いいよ。はい。」
「サンキュー。」
クスクス…
クスクス…
「あのさ、修正テープ貸して?」
「…はいよ。」
ククク…
クスクス…
み…か…。
アナタガヤッテイタノ?
アンナニ…ヤサシク…コエヲカケテ…
ソンナコト…
シテタノネ…?