1-2:お店の中
中は見た目よりも物凄く広かった。しかし人気の無さに少し恐怖を感じた。
あたりを見渡すと、変な読めない文字で書かれた本や、小さいモノから大きいモノまで色々な色の玉らしきものが棚から溢れかえっていた。
お店…だよね?
そういえば、入ったのはいいけど、もしかしたらタダの民家かもしれない!
やばいな…。帰るか…。
すると、突然奥の暗がりでよく見えない所から、
カタッ
だ、誰かいる?
カッ カッ カッ カッ カッ カッ 近づいてくる音がする…
怖い… 誰なの?人?
するといきなり、
「ワン!!!」
「わぁーーーーーーー!!!!!」
……………。って犬かい!!!
綺麗な真っ白なゴールデンレトリバー…可愛い…。あれ…?この犬片目が…ガラスで出来てる…??
「綺梛湖?どうしましたか?」
高めのテノールの声が小屋中に響いた。人がいたらしい。階段からゆっくり降りてくる。
「あ、あの。すいません。お邪魔してます。」
彼は、綺麗だった。すべてが。言葉には出来ないほどの何かオーラを感じた。
そして…何か物悲しくほっそりと微笑む人だった。
「いえいえ。お客様でしたか。…いらっしゃいませ。何をお探しに?」
「あ…、いえ特に何もないんです。ただ珍しくてつい…。」
「そうでしたか。しかしおかしいですね。このお店はお客様以外には姿が見えないはずなのですが…。変ですね?」
「…。そんな仕組みどうやったら出来るんですか?」
「企業秘密です。」
彼はにっこりと答えた。
あやしい…。
「あの…すいません。そろそろ帰ります。お邪魔しました。」
「おや。帰られるのですか?…。そうです。最近あなたの身の回りで無くなったものはございませんか?」
「え…。どうしてそれを?」
「お預かり…してますよ。」
「え?」