1-1:香菜子
朝。今日も朝が来た。何で朝なんか来るの?いやだ…。学校なんか行きたくないよ…。
「香菜子!!早く起きて学校に行きなさい!聞いてるの!?香菜子!」
ウルサい…!
「わかってるよ!」
ふてくされながら、起きて学校に行く支度をする。行きたくないのに。
「行ってきます…。」
寒い…
どんどん冷えこんでくなぁ…。
ドン…!
「おはよ!」
「美佳!ビックリしたぁ…。おはよ。」
「どうしたの?元気ないじゃん?」
「うん…。まぁね。何か学校行くの面倒で…。つまんないって言うかさ…。」
「あ〜。わかるわかる!でもさ!うちがいるじゃん!頑張ってこうよ!」
「うん…」
私は美佳の言葉に支えられてなんとか学校に行った。
「…?あれ?」
教科書が…ない?
ロッカーにしまったっけ?
…
ない…
どこに行った??
…
とりあえず、ないから借りに行かないと。
その時間は他のクラスに教科書を借りた。
「あれ??」
今度は消しゴム?!
少し小さめで丸いから転がったのかな?
…
ない…
何でないの〜?!
そんなことが、ずっと続くのでした。
そして…
途方にくれていた時、ふと顔を上げるとそこには…
なぜか、商店街の一角に古い小さな小屋みたいなものが建っていました…
ここは確か、空き地だったのに…
最近建ったのかなぁ…でも、そしたら綺麗なはず…お世辞にも綺麗とは言えないし。
よく見ると屋根のすぐ下の所に看板がある。なんて書いてあるんだ?
《忘れモノ屋》
どういった意味だろ…
何か興味深いな〜♪
入ってみよ!
そして香菜子はその小屋のようなお店に引き込まれるかのように入っていったのでした。