7 叱られてた
わたしはパーテーションで区切られた狭い一角で、聞かれるがままに答えた。
ありのままを一生懸命に喋っていたら、途中で何でか立夏さんのこと好きなのがバレてしまって、そのまま若いスーツの警察の人が相談にのってくれた。
男性が嬉しい告白シチュエーションについていっぱい教えてもらえて(為になるなぁ、警察の人はやっぱり賢いんだなぁ)って一生懸命に聞いていたら、いつのまにかパーテーションの内も外も警察の人がぎゅうぎゅうに集まってアレコレ教えてくれて、聴き取るのが大変になってきた。
頑張って覚えようとしていたら、万引き犯の時にお世話になったらしい警察の人がやってきて「仕事しろ」って怒鳴った。迫力凄くてびっくりしていたら、同じ人が出したとは思えないくらい優しい口調で「結婚はまだ早い。まだ受けちゃダメ」と、叱られた。
結婚の話は一切してなかったけど、わたしが未熟なのは確か。そのとおりだと思ったから「はい」って答えた。
そうしたら、何故かまたため息をつかれた。無言で飴をくれた。
包装紙に書かれた「交通安全」の下に警察のマスコットキャラクターがいた。このコのモチーフは可愛くて大好きな鳥さんだったから癒された。しかも番のイラスト。揃っていると可愛さが増して良い、と感想を添えてお礼を言ったら、凄く切ない顔で睨まれた。
戸惑っていたら2個目をくれた。イラストは女の子の方の鳥さんだった。リボンが似合ってて可愛かった。
聴取が終わってロビーに戻ると、立夏さんはとっくに終わっていたらしく、立ち上がって迎えにきてくれた。
何故か動きがギクシャクしていて、目を合わせてもらえなかった。ただ雰囲気が、何だろ…ふわふわ? ふかふか? していたので、(気分が悪いわけではなさそう)と感じた。
とりあえず、借りっぱなしだった水筒を返した。
「すごく握りやすいね。聴取、緊張したけどこれを握っていたから、なんとかなったよ。貸してくれてありがとう」
立夏さんは、下唇を噛み締めてゆっくり頷いてくれた。雰囲気のふかふか?ふわふわ?は、そばにいるととても居心地良い。
(やっぱり立夏さんが好きだなぁ)
感情が込み上げたけど、頑張って黙った。
(頑張る方向性が大事。わかる。ちゃんと考えなきゃ。わたしはもうおとななんだから)




