いつか
心の整理と書く準備ができましたので。
いつか、こんな日が来ると分かっていたはずなのですが。
ある日、ふと、その赤い文字に気づきます。
『退会済み』
その、赤い文字に。
それは主に、作品に寄せられた感想の、ユーザー名だったり、活動報告へ寄せられたコメントだったり。
あるいは、逆お気に入りユーザーさんの数が減っていたり。
みなさんから多くのものをもらっているという自覚がある私としましては、そこで縁が切れた、と感じてしまいます。
名前は出しませんけれど、あの人からも、あの人からも、多くのものをもらいました。
楽しい時間を過ごさせてもらいました。
反発した記憶はありませんので、去りゆくあの人を惜しむことはあっても、悪感情は一切ないといえます。
なにか事情があったのかもしれませんし、次への一歩を踏み出すために、清算しなければならないこともあったのかもしれません。
ただ、元気で過ごしてもらえればと。
そう祈るほかありませんね。
……ですが、退会されてしまいますと、あの人が、ここにいた、という記録が、一部を除いてきれいさっぱり消えてなくなってしまいます。
それはやはり、さびしいなと。
私自身の記憶は、いずれ薄れて失くなってしまうかもしれません。
ですが、あの人がここにいた、という記録が残っていたなら。
何年もあとに、自身の足跡を振り返ったときに、私の中に残る思い出を、よみがえらせることもできたことでしょう。
退会されますと、作品へ寄せられた感想や、活動報告へ添えられたコメントや、メッセージなどは、残りますね。
『退会済み』
と赤い文字で記されるなどして。
ご自分で整理した、ということであれば、言えることはなにもありません。
せめて、前向きに。
次への一歩を踏み出すために、必要なことだったのだと。
未練を断ちきることで、できることがあるのだと。
そう、思いたいですね。
ここ、小説家になろうから去ったあの人へ。
私から言えることは、たった一言。
「今まで、ありがとうございました」
それだけしか、言えませんね。
……でも、やっぱり、さみしいなぁ……。
二言になってしまいましたが、許してくださいね。
親しくしてもらった方が去っていくのは、やはりさみしいものですから。
どうか、お元気で。
日々を、楽しく、幸せに過ごせますように。
いつかまた、ここ、小説家になろうに籍を置く日が来たなら。
そのときは、
おかえりなさい。
と、迎えてあげたいですね。
誰にでも必ず来る、『いつか』が、できうる限り遅く来ますように。