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ふたつの転生~異世界行ったら憑りつかれてたけど、どうやら賢者の転生が失敗したらしい~  作者: 半分のリング
5章 重なる物語

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44話 ハロルド・アゼリア再び

 俺は今、かなり豪華な屋敷の、これまたかなり豪華な部屋に居る。本当にどうしてこうなった。


「失礼するよ」


 ノックの後、やっぱり貴族です! と言わんばかりのアゼリア侯爵が入ってきた。本当になぜこんな事になってしまったのか。


「また呼び付けてしまって悪いね」

「いえ……大丈夫です」

「楽にしてくれて構わないよ」


 今度こそ本当に心当たりないんだけど。

 帝国に潜入したこと? でもそれで咎められる謂れはないよね?


 促されるまま席に着く。床に正座した方がいい? 土下座しなくて大丈夫?


「知っているかい?」


 え? なになに? 俺、何もやってないよね?


「王国北東の一部地域で猛吹雪があったそうじゃないか」

「はぁ」


 ……え? あ、そうか。あの時のフロストドラゴンか。もしかして俺ってバレてるの? なんで?


「大きなドラゴンが飛行している姿も目撃されていてね。その場所にフロストドラゴンの死骸と一緒に、こんな物が落ちていたんだ」

「はぁ」


 アゼリア侯爵が合図を出すと、見覚えのある鞄を兵士が持ってきた。

 いや、どう見ても俺のじゃん。なんで俺のだってバレてるの?


「君の物で間違いないね? あぁ、例の商人ならこちらで処罰しておいたから安心してくれたまえ」


 安心ってなんだ? 怖いんだけど。


「俺の……だと思います」

「君には二度も助けられたようだね。前回と合わせて褒美を与えなきゃと思ってね、こんな物を用意したんだ。受け取ってもらえるかな?」


 アゼリア侯爵が合図を出すと、預けていない剣を持ってきた。


「名匠シャルマーニによる一品。名をジョワユーズという」


 俺の使っている剣と似た形状で少しだけ長いのかな、といった具合。鍔の部分には宝石が埋め込まれていた。


「それには魔法石が埋め込まれていてね。使用者の魔力を増幅してくれる魔法陣が組み込まれているんだ」

「これは……凄いですね」


 これが手に馴染むという感覚なのか。

 魔法石のおかげなのか、込めた魔力以上の強化がされているだけではなく、その流れもスムーズで扱いやすい。


(フレッド、これほどの品は私も初めて見る)

(だよな、ヤバいよな)


 俺の語彙力じゃ説明しきれない。マジヤバい。貰ってしまっても?


「気に入ってくれたようで何よりだよ」

「ありがとうございます」

「なに、心ばかりの礼だよ。気にすることはない」


 凄い剣を貰ってしまった。しかも見返りを要求してこない。

 実はこの人、いい人だったりする?

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