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ふたつの転生~異世界行ったら憑りつかれてたけど、どうやら賢者の転生が失敗したらしい~  作者: 半分のリング
5章 重なる物語

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43話 悩み事

 散々な目に遇ったが、なんとか無事コルディアまで戻ってこれた。


 森を抜けた辺りで追うのを諦めたらしい。さすがに戦う魔力は残っていなかったのだろう。

 一つの身体に二つの魂という利点が最大限発揮された形だ。化け物も魔力が尽きればただの人、って事である。


 でもまあガインとか言う奴の足が速ければ詰んでいた。

 ジェリカは敏捷特化みたいなところがあるから、おかげで何とか逃げ切ることができたのだ。

 俺とジェリカが交互に休憩することで、魔力が尽きることなく走り続けられたのはデカい。ずっと身体強化してたらまた気絶コースまっしぐらである。


 とはいえ身体は一つなのでまた筋肉痛になり、宿屋に引き籠っている。

 でも今回はそれだけではなく、ちょっと悩んでいる事があった。


(やっぱり、ちゃんと謝るべきだよなあ)


 セレスの事である。

 あの時の俺はどうかしていた。

 周りが見えなくなっていたっていうか、引き留めるセレスを鬱陶しく思ってしまった。

 そりゃ普通止めるよな。だって本当に危ないし。実際、死んでてもおかしくなかった。


(あれがフレッドの本心で無いというなら、しっかりと伝えた方がいい)

(そうだよなあ。でもなぁ……)


 どうやって切り出せばいいのか。

 セレスはずっと俺のことを気にかけてくれていた。それは分かっていたはずなんだが、どうにも素直に受け入れることができなかったのだ。


(セレスならば謝罪を受け入れてくれるだろう。フレッドの気持ちをそのまま伝えればいい)

(そう……だよな)


 セレスが良い奴なのは知っている。謝れば許してくれるだろうことも。

 ただ、どこまで話していいものなのか。

 たぶんセレスは謝ってほしいんじゃなくて、打ち明けてほしいと思っている。俺の過去をある程度は察してる気がするんだよな。

 そこで色々と隠して謝っても、セレスをまた傷つけてしまうだろう。形式だけの謝罪はただの自己満足だ。




 二日ほど悩んだが、意を決した俺はセレスを探すためギルドに向かった。職員に聞けば何か分かるだろう。


「セレスという人物はまだこの街に居ますか?」

「あなたがフレッドさんですね。セレスさんから手紙を預かっております」


 手紙を受け取る。

 内容はまあ……読まなくても大体は察する。


「それと、アゼリア侯爵閣下からの言伝を預かっております。『アゼリアブルグで待っている。いつでも寄ってくれたまえ』とのことです」


 あれ? 俺、今度こそやっちゃった?

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