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ふたつの転生~異世界行ったら憑りつかれてたけど、どうやら賢者の転生が失敗したらしい~  作者: 半分のリング
4章 交差する物語

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35話 ハロルド・アゼリア

 俺は今、ちょっと豪華な屋敷の、これまたちょっと豪華な部屋に居る。どうしてこうなった。


「失礼するよ」


 ノックの後、どこからどう見ても貴族です! と言わんばかりの豪華な服を着飾った人が入ってきた。なぜこんな事になってしまったのか。


「私はハロルド・アゼリア。侯爵位を賜っている」

「あ、フレッドです」

「あぁ、緊張しなくていい。楽にしてくれたまえ」


 名前を告げて会釈するので精一杯だった。挨拶の仕方なんて知らないぞ。


 促されるまま席に着く。侯爵の後ろには軍師っぽい付き人。いや、秘書官か? わからん。


「聞いたよ」


 え? なになに? 俺、そんなまずいことした?


「大活躍だったそうじゃないか」

「はぁ」


 ……え? あ、そうか。俺は悪魔を退治したって事になってたんだ。なんだ、それなら先に言ってくれよ。実感ないから何事かと思った。


「悪魔というのはね、人の恐怖や絶望を糧にして成長する。だから生まれたらすぐに滅ぼす必要があるんだ。君の活躍無くしては成し得なかっただろうね」

「はぁ」


 どうやら褒められているようだ。

 どうやって倒したとか訊かれても俺は答えられないぞ。君の力を確かめたいとか言い出さないよね?


 俺の心配をよそに、上機嫌なアゼリア侯爵は続ける。


「君には褒美を与えなければ侯爵家の名が廃るというもの。何か希望はあるかい?」

「褒美……ですか」


 急に言われてもなあ。すぐに思い付くのはお金くらいか。師匠的な人を紹介してもらうのも一つの手か?

 ……いや、これはチャンスかも知れない。

 侯爵家の人脈ならもしかすると……。


「それなら優秀な鍛冶屋を紹介してもらいたいです」

「ふむ。君に合った優秀な武器が欲しいと言うことかい?」

「いえ……。武器を修理して欲しいんです」

「なるほどね。見せてくれるかい?」

「はい。あ、兵士の人が……」

「すまない、そうだったね」


 アゼリア侯爵が合図を出すと、預けていた剣を兵士が持ってきた。


「悪魔との戦いは相当に激しいものだったようだね」

「いえ、それは……」


 悪魔と戦った時の剣は折れてたから宿屋に置いてきました、それは別件です。


「では、私が知る限りの優れた人物を紹介しよう」

「鍛冶屋の人が言うには、創った人にしか直せないだろうって……」


 これを修理となれば作り変える、つまりは別の剣になるって事らしい。


「勘違いしてはいけないよ。私が紹介するのは鍛冶師ではなく、修理屋だよ」

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