34話 決定打
(フレッド……心配をかけた)
悪魔との戦闘から一週間後、ようやくジェリカは目を覚ました。
(無事だったのか……良かった)
ジェリカの魂が日に日に強くなっていくのは感じていた。それでも不安が残っていたのか、少しだけホッとしている自分がいる。
(すまなかった、ジェリカ。俺の判断ミスだ)
長期戦になると言われたにも関わらず、俺は魔力の無駄遣いをした。こちらの攻撃が通らず焦ってしまったのだ。
俺は長時間、魔力を操作する技術が足りていなかった。だからわざわざ忠告してくれたんだろう。それを俺はないがしろにしてしまった。
(気にする事はない。私たちはこうして生きている)
俺が気絶した後の話を聞くと、暫くして援軍が到着したようで、そいつが無茶苦茶強かったらしい。
ジェリカの攻撃では決定打を与えられなかったが、そいつは手足をバンバン切り落としてたみたいだ。
ただ悪魔の再生能力が異常に高く、それだけでは致命傷になり得なかった。
そこでジェリカがタイミングを見計らってエアインパクトを放ち、悪魔を弾くことでそいつの攻撃を直撃させることに成功し、それが決定打になったらしい。
そうして二人で悪魔を滅ぼすことには成功したが、限界を超えて戦っていたジェリカはそのまま倒れた、ということだった。
俺は二日、ジェリカは一週間も眠っていた。
これは俺の努力や根性が足りないからだ。これまでずっとジェリカに甘えてきただけだ。これからもずっと甘え続けるなんてのは御免だ。
俺は自分自身の力で生きていけるような力が欲しい。守られるばかりではなく、誰かを守れるような強さが欲しい。
(ジェリカ。俺はもっと強くなりたい。どうすればいいと思う?)
(そうだな。フレッドには決定打になり得る力があるように思う)
(決定打?)
(フロストドラゴンの時にも思ったが……瞬間的な火力であれば、私の力を大きく上回ることができるだろう)
(それって――)
「失礼する。ここにフレッドという者が居ると窺った」
話の途中で兵士の恰好をした男が部屋に入ってきた。
「俺がフレッドですが」
「アゼリア侯爵閣下がお呼びです。今すぐご同行願います」
あれ? 俺、なんかやっちゃった?




