22話 同行
討伐依頼を眺めていると、ダイアウルフの討伐依頼があった。北方の森を中心に生息している狼だ。
家族単位で生活しているが、大きくなり独立すると行動範囲が広くなる。
ちょっと遠い村だけど、危険なモンスターだし狩っておくことにした。
「あー! また一人で危ない依頼受けようとしてる!」
セレスである。
「いや、キラーマンティスよりは弱いし大丈夫」
「まぁそうだけど……。いい加減、パーティ組みなよ」
こっちにはジェリカが居るから実質二人組なんだけどな。まあ言ったところで白い目を向けられるだけだから黙っておく。
「その村、私たちの依頼と方向一緒じゃん!」
「なんの依頼?」
「護衛依頼だよ。途中までだけど一緒に行かない?」
「うーん、どうするかなあ」
俺を睨んでる人が居るんだよな。あの赤い短髪の男。確かエルドだったかな。
セレスと話してる人に対してはだいたいあんな感じだ。分かりやすい。
(一緒に行ってあげてもいいのではないか?)
(まあ……偶にならいいか)
返事をする間もなく背中を押された俺は、セレスのパーティの前へと連れて行かれた。
「はーい、今日はフレッド君も一緒に行きまーす!」
「ほんっと、セレスは強引なんだから」
「まぁ今に始まったことじゃねーけどな」
「はいはーい、知ってると思うけど一応紹介しとくね。右からネリア、オリクト、エルドね」
魔法使いに槍使いに盾持ち剣士。そしてセレスが弓使い。バランスいいな。
確かネリアは治癒魔法も少しできるって前に聞いたな。
「急にすまない。フレッドだ。よろしく頼む」
「じゃ、歩きながら説明するね」
セレスたちは街や村を経由しながら、王国東部にあるアゼリアブルグまで商人を護衛するらしい。ディーグの南東に位置する、領都である。
取引しながら移動するみたいだから、そこそこの長旅になるんだろうな。
アゼリア領の広さは王国でも随一みたいだし。さすが侯爵家。
そして最初の村までは方角が一緒だ。
ディーグから東に伸びる街道を進むと、半日と少しで最初の目的地に辿り着く。
街道の南側にはモンスターが生息する森林地帯が広がっているから、こういった護衛依頼も舞い込んでくる。
その村で一泊した後セレスたちは南下、俺は北東に進む。だからそこでお別れだ。
護衛対象との待ち合わせ場所に着くと、馬車が三台。思ったよりも規模の大きな依頼だった。
最近勢いのあるパーティみたいだから、こんな大きな仕事もできるんだろうな。
それにしてもエルドよ。いつまで不機嫌なんだ?




