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ふたつの転生~異世界行ったら憑りつかれてたけど、どうやら賢者の転生が失敗したらしい~  作者: 半分のリング
2章 もう一つの物語

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20話 少女の思惑

 少女の魔法は不完全だった。


 星屑の賢者が使用したとされる魔力石。その残存魔力を辿ることで、使用者を召喚しようと企んだ。

 しかし、その目論見は外れた。

 少女の唯一の間違いは、賢者の残した魔法陣を理解できていなかった事にある。


 その結果、召喚されたのは相田亮哉という、星屑の賢者とは似ても似つかぬ少年であった。



 少女は落胆した。そしてその腹いせに、この少年を最大限利用してやろうと考えた。

 利用できるのなら良し、そうでなければ実験体として使い倒せばいい。そんな軽いものだった。

 まずは戦争にでも駆り出してやればいい。魅了が掛かっているならば、どんな危険な事も進んでやり遂げるであろう。


 試しに戦闘訓練を行わせた所、少年はみるみるうちに上達した。

 特に魔力操作の技術は素晴らしく、これは良い拾い物をしたものだと少女はほくそ笑んだ。



 それからは毎日のように少年の部屋を訪ねた。魅了の効果が落ちていないかを確認するためだ。

 しかしそれは杞憂であった。むしろ、より強くなっているように思えた。

 魔法陣を使った魅了魔法は初めての試みであったが、予想よりも強力なものに仕上がった。

 少女は満足しつつも、注意深く経過を観察した。




 ダルカス・フォルマンの弁によれば、すぐにでも使い物になるという。


 ならば試験と称して、ダイアウルフの処理を任せることにした。

 あの企てには一定の成果があったと報告を受けている。であるならば、もうあれに用は無い。

 天敵の居ない広大な森に放置しても、厄介事の種になるばかり。狩ってしまった方が良い。


 もちろん少女は民衆の命などに興味はない。穀物の生産量が落ちるのを懸念してのことだ。

 民衆はモンスターによる被害には許容的だ。しかし飢饉が起こったとなれば、なぜか国に責任を追及するのだ。

 勝手で愚かなものであると、少女は考えている。



 それに次の手はもう打ってある。

 暗い窓の外に目をやりながら少女は呟く。


「うまく見付けてくれるといいのですが――」

次回から新章に移ります。ブクマや評価、感想など頂ければ幸いです。

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