表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたつの転生~異世界行ったら憑りつかれてたけど、どうやら賢者の転生が失敗したらしい~  作者: 半分のリング
2章 もう一つの物語

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/55

17話 ラミレス家の闇

 私の魔法は失敗した。


 意識を取り戻した時、瞬時にそれを理解した。

 私が入った器には、既に成熟した魂があったのだ。


 どのような因果でこうなってしまったのか。原因の一つはすぐに理解した。

 成熟した魂に意識を傾け、語り掛けようとした時だ。


「お初にお目にかかります。わたくしの名はクリスティア・フィル・ラミレス」


 目の前の少女はそう答えた。


 ラミレス。私の知るラミレスは、大公ロドレフ・フィル・ラミレス家の一族。皇帝に次いで絶大な権力を持つ家の名だ。

 その中でもロドレフという男は、宮廷魔導士序列第二位の実力者。私に一位の座を奪われた者である。

 狡猾で残忍なロドレフには、少なくない嫌がらせを受けてきた。

 新たな皇帝が即位して完全実力主義となり、平民出身の私に思う所はあったのだろうが、それでもラミレス家には黒い噂が絶えない。


 そんな男の血縁者が私の前に現れたのだ。


 ラミレス家が関与していたとなれば、そこには必ず裏がある。今、私の存在が露見してしまうと、取り返しが付かなくなることだろう。

 私は成熟した魂の影に隠れるようにして、ひっそりと様子を観察することにした。



 暫くして、リョウヤの魂には枷があることに気付く。そしてそれは、クリスティア・フィル・ラミレスの魂へと繋がっていることにも。

 クリスティアに対するリョウヤの言動には違和感を覚えていた。その正体を確かめるべく、私は注意深くその枷を観察した。



 これは魅了の類であろう。

 恐らく、召喚の魔法陣に何かしらの細工を施したのだろうが、魔法陣を見てみないことには詳細までは解らなかった。

 リョウヤに助力を仰ぐことも考えたが、なかなか独りにならない。リョウヤは気付いていないだろうが、彼は常に監視されていた。


 やはりラミレス家は油断ならない。

 本来であれば、この私を召喚しようとしたのであろう。そして魅了で私の意思を奪い、自由に操るつもりであったと推察できる。

 何の因果か、その枷は私ではなくリョウヤを縛り付けることになった。

 私は機会を窺った。リョウヤが独りになるその時を――。




 好機はすぐにやってきた。

 アリストア大森林に、ダイアウルフの討伐へと赴くことになったのだ。

 帝国と王国を分断するその大森林はとても深い。それでも監視が付くことも考えられるが、撒くことは容易であろう。

 浮かれて走り出したリョウヤに私は補助魔法を掛ける。調子がいいと感じたであろうリョウヤは更に速度を上げた。



 監視の目も届かなくなったところで、私はリョウヤに語り掛けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ