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ふたつの転生~異世界行ったら憑りつかれてたけど、どうやら賢者の転生が失敗したらしい~  作者: 半分のリング
2章 もう一つの物語

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16話 捜索と魔道具

 帝都に戻ってきた。おっさんとの共同生活は思い出したくもない。早くクリスに癒されたい。ヒーリングでおっさんの臭い取れる?



 待ちに待ったクリスとの時間がやってきた! と思ってたら――。


「ご相談したいことがあります」


 と、困ったような、申し訳なさそうな複雑な表情だった。ここは男気を見せるところだ! と話を聞いてみると。


「実はアリストア大森林でダイアウルフが目撃されたようなのです。近隣の村々が襲われないか、わたくしは心配で心配で……」


 どうやらダイアウルフっていう強いモンスターが、近隣住民の不安の種になっているらしい。まだ大きな被害は出てないようだけど、まぁそれも時間の問題だ。

 ここはクリスの笑顔のためにひと狩り行きますか!


「任せてください! 俺がすぐに倒してやりますよ!」


 俺はクリスの笑顔が見たい。そのためならなんだってやる。やってやる。


「ありがとうございます。ではせめて、これをお持ちに――」


 そう言って丸い球を差し出す。索敵珠に似た感じ。


「これは?」

「追跡珠という魔道具です。先ほど先遣隊が戻ってきたのですが、これにダイアウルフの魔力を記憶させることに成功したようです」


 追跡珠を見ると一部がぼんやりと光っている。この光の方向にダイアウルフが居るらしい。


「数は二体。つがいのようでしたので、もしかしたら子供も居るかもしれません」


 なるほど。全部倒してしまっても?


「リョウヤ様にばかり負担を押し付けてしまって申し訳ありません。でも、わたくしにはあなた様にすがる事しかできないのです」

「気にしないでいいですよ。全部任せてください!」


 クリスの不安を取り除くことには成功したらしく、俺も上機嫌になって興奮したせいかあんまり眠れなかった。





 その翌日に早速出発した。

 馬車を用意してくれたおかげで寝不足でもなんとかなった。

 目的の村までは二日かかるらしく、その間は御者の人が世話をしてくれるみたいだ。

 そして村に着いたら一人で捜索開始、という感じ。

 でも夜に着いたから村で一泊させてもらうことにした。




 よし、寝起きバッチリ! 体調も良好! 今から捜索開始だ!


 追跡珠を手に取り光の射す方向へ。

 今日は絶好調だし飛ばすぞー。

 早く帰ってクリスに褒められるんだ!

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