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ガリアとカエサル

作者: 江川乱龍

紀元前58年、共和政ローマはガリア戦争を開始。

(ガリアはヨーロッパ西部。今で言う仏蘭西(フランス)瑞西(スイス)

白耳義(ベルギー)阿蘭陀(オランダ)等を指す呼び名)

ローマ軍を指揮するのはガリア地区総督のカエサルである。カエサルは"ゲルマン人の脅威に備える為、ガリア一帯をローマの領土にする"という命を兵士に呼びかけ、軍を進めていった。


カエサルが率いる軍は快進撃を続け、ガリア戦争3年目には現存でいう仏蘭西(フランス)北部に到達。

此処でケルトと呼ばれる民のなす、幾つかの部族との合戦になったのだ。

ローマ軍の若き兵士セネカは先陣を切り、突撃したが、敵の投石が頭に直撃し、意識を手放してしまった。


暫くして目を覚ますとセネカは牢の中に居た。

敵の捕虜となってしまったのだ。

セネカは見張りの兵士に話しかけるが、返ってきたのは知らない言語。セネカは言葉がわかる者を呼ぼうとしたが、其処に一人の女が来た。

「貴方達の言葉がわかるのは

私達ドルイド階級だけよ」

とセネカにもわかる言語で返ってきた。

彼女はキーヴァと言い、ドルイダスというケルト宗教の

女神官であった。

キーヴァは此れからセネカ達の処遇を決めると言い、

連れてきた一羽の鶏を抱き上げた。

セネカは鶏の目の感じや歩いた方向で決めるのだろうと思い、

彼女の取る行動を見た。

彼女が取った行動はセネカが予想したものとは遥かに

かけ離れていたものだった。

鶏の腹を生きたまま裂いたのだ。

キーヴァは鶏の裂いた腹を見て、

「此の内蔵の形は……」と占った。

セネカは「悍ましい…出鱈目(デタラメ)な占いだ」

と罵った。その言葉を聞いたキーヴァは

「出鱈目ではない。ブリタンニアで学んで来たの」

と話したらセネカは大笑いした。

ブリタンニアは現在の英国の中核を成す島、

グレートブリテン島のことであり、当時のローマ人は

その実在に疑問を持ち、空想上の島だと考えられて

おり、セネカも空想だと考えてる者の一人であった。


その後、セネカ達は監視付きで外に出され、

奴隷として労働をさせられた。

セネカは木の枝を編むように命じられ、

其れはローマがまた攻めてきた時に

備えて作る檻だそうだ。

最強のローマ軍相手に勝てるものか、と思っている

強気なセネカだが、彼にも僅かに不安があった。

たった数人の捕虜の為にカエサルが助けに来るのかと―


セネカ達捕虜が編み上げた檻をケルトの民が不思議な

形に組み上げていく、其れは段々人の形になっていく。

キーヴァによるとあれは"ウィッカーマン"と言う。

目だけで測ると五米(5m)くらいの人型の檻で、

足元に焚き木が積まれていく。

其処に人や牛などが詰め込まれる光景を見て、

自分達も入れられ、焼き殺されるのではとセネカ達は

たじろいた。

……周りの兵士がざわめき始めた。

ローマが攻めてきたらしい。

セネカ達は助かると思ったが、キーヴァが

「生贄を入れ、火を付けろ」と指示をした。

ウィッカマンの中に人や家畜が詰め込まれていき、

焚き木に火を付け、キーヴァ達は神官が

祈りを捧げた。



村に攻め寄せて来たカエサル達は

炎の巨人を目にした。灼熱に包まれる人々があげる

苦悶の声がウィッカマンの叫びとなり、

辺りに響き渡る。カエサル達は不気味な光景を見て、

「あの中に居るのはローマの捕虜達なのではないか」

と思い、ただ目の前に広がっている地獄を眺めていた。

が、其処にセネカ達がカエサルの元に逃げてきた。

セネカはカエサルに"ウィッカマンに入れられて

いるのは、我々でなくケルトの民である"と伝えた。

カエサル達は理解出来ない事に恐怖を感じながら

眺めていた。


ローマ軍との合戦の末、キーヴァ達の村を陥落させた。

カエサルはセネカが信じていなかったブリタンニアへ

行く拠点にすると決めた。


それから村はローマ化し、カエサルは自身の体験を

記録し、今、読者諸君にも知られたのだ。

遅くなり、すみません。

此れからはもっと早く書き上げます!

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