復讐
初投稿です。よろしくお願いします。権力に抗う少女と暗殺者の物語となっております。
暗殺?日常?どうなってしまうのかは私もまだ浮かんでいません。これからに期待ですね。
よろしくお願いします。
それは薄暗く、黒いカーテンが完全に外の世界を遮断した中で行われる。
今日もまた殴られるのだろうか。
それとも蹴り?
両親から生を拒絶されたマヤは鬱憤のはけ口として毎日暴力を振るわれている。
あっきた。この少し低めの足音、これは父の足音だ。
ガッガッガッガッガッ
「...」
じろりとこちらを一瞥し
ボコンッ 「カハッ」
鈍い音がごみの散乱したリビングに響く、腹に蹴りをもらったのだ。
うぅ
父はためらわず蹴りを続ける。
欲に飢えた猿のような目
ボコン ボコン ボコッ ボコン ボコン
胸ぐらをつかまれた、全力で腹を殴る
ボコン ボコ ボコ ボコン
うぅ うえぇぁ
いま、父が微かに笑った
私は床で吐いてしまった。
「片づけておけ」
父は仕事に行く準備を始めた。
暴力をふるうのは、いつも父で、母はそれを止めようともしない。母は傍観者を決め込むはららしい。
日に日に暴力がエスカレートしていきやがて、外傷が目立つようになり。
両親が仮病を装い。ついには学校に行かせなくなってしまった。
休みの連絡を取るのはいつも母だ。
私が父から暴力を受けるようになったのは中学1年の夏休み以降だ。
父の会社が大きなリストラが起こり、巻き添えになったかららしい。
住んでいる家が一軒家でローンを組んでいることもあり、転職先でも安定した給料を得るために寝る間も惜しみ働いて、働いて、働いているみたいだ。
そして、そのツケが私に暴力という形できていると。
正直、将来のための計算ができないバカとしか言いようがない。
娘を、未来へ送り出すために用意した家の借金によって
いま、娘を殺そうとしている
この世界はばかげている
でも、普通のことだ。
金があるやつが、力のあるやつが、えらいのだ。
力や金のないやつは淘汰される定めにある。
カカオ栽培、殺処分、水商売、戦争、核開発・・・かぞえあげたらきりがない
でも、この世界は間違っている。
連絡を終えた母も家から出て行った。
外出も一切できず唯一の自由時間は父が働きにでかけ、母が買い物に出かけているときのみ。
こっそり、父のパソコンを立ち上げ投資によって資金を作っていた。
この計画に一年半かけた。
これが脱出の最後のチャンスなのだもう一度親の元に返されたらもう命はなくなっているだろう。
このまま抵抗せずに命を投げ出すことは絶対にしない。
私は生まれてしまったのだ、意味なく、死ぬことなど許されない。
「私がこの呪縛から解放された暁には、世界に復讐してやる。この世の理不尽を、私が生きている限り根絶やしにすることを誓う。」
理不尽を誰よりも嫌う底知れぬ憎悪はとある一枚のリンクにたどり着いた。
「蟲毒暗殺・・・」
~蟲毒暗殺~ 一人・・・80万円
同棲夫婦だとお買い得・・・120万円
住所、氏名を教えていただけると達成可能です。無差別殺人は行っておりませんご了承ください。
氏名だけですと別途費用が掛かります。状況要相談
「ふっ割と安いのだな」
両親が間違いを犯しているところを挙げるならば、私に知恵を与え生かしたことだろうな。
_________________________________________________________________________________________________
二日後 夜
母は家のドアを静かに開けた。家の中にいるマヤをこっそりさがす。
いつも帰ってきたときはおとなしくしているとはいえ、毎日暴力を振るわれていて、反骨心を抱かないわけがない。
それとももうすでにあきらめて…
だが、今日は何かが違った、「!?」
マヤがいない!!!!
まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい
母は部屋をくまなく探し始めた。
「まやあああああ まやあああああ」
いない
グォォォン
ふと、玄関のドアが開く
母が全速力でかけていく
「まやあああああどこいってたの!!!!」
しかし、玄関にいたのはマヤではなく、高身長の体格が細めの男だった。
しかも、だれか男を抱えている。
「あなたあああああああああ」
男が丁寧にあいさつを交わす。
「あーこんばんわ さようなら」
「いたっ」
私の首に刺激が走り、息絶えた。
_______________________________________________________________________________________________________
マヤは家の近くにある山をはだしで歩いていた。
リュックには家にあったお金、パソコン、充電器、最低限の飲食料が詰まっている。
「もう約束の時間か・・・」
マヤは後ろを振り向いた。
私の家が燃えている。それだけ、
迷惑をかけないよう言ってあるから、きれいに自分の家だけ燃やしてくれるだろう。
「因果応報ね」
なぜもう少し優しくしてあげられなかったんだろう。なぜ少し我慢できなかった?なぜ手を差し伸べられなかった?
こんなことを言っても仕方ない。
「もういないもんね 父さん 母さん ここまで育ててくれてありがとう」
「ふふふふふふふあはははははh」
「私の勝ちよ」
「この世界の理不尽は私が消すわ」
最後まで見てくださりありがとうございました。
今回はマヤちゃんの回でしたが、次は暗殺者がメインのお話となっております。
次回も見ていただけると幸いです。