村の守り神
起きてきた、アリスの顔を見て、体調が悪そうなのを感じた
「アリスどうした?」
「村長……頭が、やばい」
「えっ、わしの頭!?」
「村長の頭は、元々ハゲてて、やばいが、我の頭が、なんか、やばいのだ」
アリスが、頭を抱えながら、そう言う
熱があるのかと思い、熱を測ってみるも、そこまで、高い熱でもない
「頭が痛いんじゃないんだよな?」
「なんかこう……やばいのだ!」
やばいって、なんだ……
医者に見せるのが、いいのだろうが、人間専門の医者じゃいけない
魔物は、魔物専門の医者に
魔族は、魔族専門の医者に
魔王のアリスは、魔族専門の医者に見せるのが、いいだろうが
話に聞くだけで、どこにいるかも知らない
他に知識が、あてになる人物と言ったら……
やはり、ここは、守り神様に会いにいくしかない
「アリスよ、朝食食べたら、今日は、寝ていろ、すぐに、戻る」
「起きたばっかりで、眠れるか」
「寝っころがっているだけでも、いいから」
「うむ……わかった」
うちの家の裏の森は、村の守り神が祀られている
祭りの時など以外は、会いに行くことが、許されてない
それは、前の村長から、言われていたことだが
アリスが、もしも、危険な病気とかだったりしたら、そうも言っていられない
「おっ」
祠が見えてきた
手入れなどしなくても、何年も綺麗のままの不思議な祠
さっそく、酒とお菓子を供える
「守り神様、守り神様!」
声は、虚しく、森に響き渡るだけだった
だが、ここで、諦めるわけには、いかない
「守り神様! 守り神様!」
「うっさいわ、ボケい!」
後ろから、怒り声が聞こえてきた
びっくりして、後ろを振り返ると
緑髪で、茶色の民族衣装を着た少女がいた
「どなた?」
守り神様に似ているが、だいぶ幼く見える
歳は、アリスと同じぐらいか
「おぬしが呼んだから、来てやったんじゃろうが」
「でも、守り神様は、もっと大人じゃなかったですか?」
「わらわは、祭りの時は、力を使い大人の姿で行くが、他の日は、祭りなどに備えて力を温存してるから、この姿なのじゃ」
「なるほど」
「この姿を見せたいからのう、祭りの日以外は、ここに、こないように、歴代村長に言い伝えさしていたのにのぉ」
「その姿でも、いいじゃないですか?」
「いやじゃ、どうせ、守り神が、子供とか、馬鹿にされるだけじゃ」
守り神様が大人の時しか見てないせいか、だいぶ違った人に見えるな
「それで、何用かのぉ」
「それが、かくかくしかじかでして……」
守り神様に一から説明した
アリスが、魔王ということ
朝から、頭がやばいと言ってることを話した
「なるほどのぉ」
「なにか、そういう病気に心あたりは、ありませんか?」
「村長の言い伝えは、知ってるかのぉ?」
「はい、すべて、教わっています」
「その娘、もしやハゲかけているのかもしれぬ」
「ハゲ!?」
「この村の村長は、すべてハゲになる宿命なのだ」
そういえば聞いたことがある、村長は、ハゲになるものだと
だから、うちの馬鹿息子もなりたくないと言って、村を出て行った
「でもうちの娘は、村長になんて、なる予定は、ないのですが」
「ふむ、なるほどのぉ、なら他に原因が、あるのかのぉ、んっ~」
守り神様は、必死に頭を抱え、考えている
「すまん、ハゲ以外、思いつかぬ」
「そうですか……」
あんま役に立たない守り神様だ
「そういえば、なんで、この村の村長は、ハゲになる宿命が、あるんですか?」
守り神様は、少し、悲しそうな顔をして、空を見た
「これは、何百年も前の話じゃ、わしは、当時好きな男がいた、それは、当時の村長なのじゃ」
んっ?恋話!?
「だが、わらわ達の前に、一人の女が立ちはだかる、そして、その女は、村長と、恋仲になりよった」
なんか嫌な予感が……
「わらわは、その女のことを調べ、ハゲ嫌いだということを知り、当時の村長に、ハゲになる呪いをかけたのじゃ」
当時の村長……お気の毒に……
「そして、ハゲになった村長は、女に振られ、わらわとめでたく結ばれたのじゃ」
とんでもない話だ
「ハゲになる呪いは強すぎてのぉ、次の村長、そして次の村長へと続いていったのじゃよ」、
「えっ!?」
わしのハゲ、守り神様のせいだったのか!?
このババアなんてことしてくれたんだ!
村の守り神様だから、怒れないが、悲しい
「あっ!今の話でも思い出した」
「なんです?」
「女の話じゃよ、当時の村長を、取ろうとした女は、魔族でな、頭がやばいと言い、当時の村長に看病されておってのぉ」
当時の村長が好きだった女性が魔族!?
いや、それよりも、今まで、一番有力な情報かもしれない
「原因は、なんでも……ツノの生え変わりみたいなのじゃ」
「ツノ……?」
「そうじゃ、小さいツノは、抜けて、新しいツノが作られる」
「なら、アリスは、別になんでもないと言うことですかね?」
「まあ、たぶんのぉ」
よかった……
まあ、一安心だ
「ありがとうございます、すぐアリスに伝えてきます」
「うむ、次の祭りの時の、お供え期待しているぞぉ」
「はい」
まあ、ハゲ関連の話を聞いて、感謝半分、恨み半分って感じなんだが……
守り神様の話通り、アリスのツノは、抜けた
抜けた小さいツノは、屋根の上に投げた
なんでも、守り神様が言うには、そういう魔族の風習があるみたいだ




