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呪いの人形(夜)

 人形の一件のことを村人達に知らせ、朝一番で、王国に依頼を出すことを皆に知らせた

 魔物退治なら、酒場にいる冒険者にでも、頼めばいいが

 幽霊系の退治となると、王国に行って、専門の職な人に頼むしかないだろう

 しかしも聞いたことがあるだけで、そんな除霊みたいなことが、できる職業の人間にあったことない

 はぁ……イタズラだと思って、人形の処分に向かったはずが、面倒のことになったな


 「アリス」


 部屋のドアを開けるとアリスは、もう眠っていた

 もう夜の9時だが、いつもは、この時間帯は、怪しい研究しているが

 さすがに、森の中を走って疲れたのかな

 わしも、明日は、朝から、王国に出発だし、そろそろ寝るか


 アリスを起こさないように、そっと出て、自分の寝室に向かった

 だが、なにか音が、聞こえ、その足を止めた

 それは、玄関のドアのほうからだ

 コンコンと小さな音だが、ドアを叩く音だ


 「だれかいるのか?」


 声を出した瞬間、音は、止まった

 もう夜の10時だし、村人も、だいたい訪ねてこないはずだが


 「人形……」


 ん?

 女の声……

 だが、村人のものでは、ない

 聞いたことのない声だ


 「人形人形」


 村人にも人形のこと話したし、誰かのイタズラという可能性が、あるが

 この扉を開けては、なにか、まずい気がする……

 とにかくこの場をなんとかしなくては


 「今日は、もう寝るから、また明日の朝でも来てくれ」

 「人形……」

 「それじゃあ」


 そう言って、去ろうとしたとき

 玄関のドアをすり抜け、少女があらわれた


 「ひぃ」


 あまりのことだったので、驚き、尻もちをついてしまった

 幽霊……!?

 少女は、今日みた人形の格好で、目がなかった

 絶対、今日の人形関連の幽霊だ……


 「人形……返せ……」


 人形……はっ!?

 そういえば、アリスが帰り道の途中まで、人形持って帰っていた

 わしが、捨てたが

 もしかして、人形の持ち主の幽霊!?


 「あの人形は、娘が、持って帰ろうとしてたから、森に戻したんです」

 「人形……」


 わしの言葉を聞いている様子では、ない

 こっちに近づいてきてる

 やばいやばいやばい

 殺される

 逃げなければ


 「アリスううう」


 立ち上がり、アリスの部屋まで走る

 ドアを閉め、寝ているアリスを起こそうと体をゆする


 「アリス、アリス、アリス起きろおおお」


 その声に反応したのか、アリスの上半身だけが、起きる

 だが、顔は、まだ寝たままだった


 「アリスアリス」

 「魔王ビーム」


 指を向け、そう言うとアリスの指先から、禍々しい赤いビームが、発射された


 「ぬおおおお」


 わしの家に大穴があああ

 って、そんな場合じゃない

 アリスを背負い、今できた大穴から、外に逃げる

 逃げている最中に後ろを見ると、少女の幽霊は、こっちに向かっているように見えた

 だが、ゆっくりだから、追いつかれることは、ないだろう

 とにかく、村の酒場にでも行ってみよう、あそこなら、今の時間も空いてるだろうし

 冒険者の人に幽霊を押し付けよう


 「はぁはぁ」


 それにしても、この歳になって、子供を背負い走るのは、結構つかれるもんだ

 んっ?

 あそこに座っているのは、勇者様!?

 昼間いた場所と同じところでなにやってるんだろう

 ちょうどいい、除霊みたいなこと、できないか勇者様に聞いてみよう


 「勇者様あああ」

 「んっ?村長か」


 また元気なさそうな感じだ


 「どうかしたんですか、勇者様」

 「ああ、下半身隠すものは、つけてきたんだが、酒場の主人に追い出されたんだ」

 「それは、また災難でしたね」

 「ああ、村長は、こんな夜にどうしたのかね?」

 「あっ、そうだ、聞いてください、勇者様、今、幽霊に追われてるんです」

 「幽霊?」


 勇者様は、首をかしげる

 外に出ていたから、知らないんだろう


 「実は、ですね、村で噂になってた人形の正体を知るため、森に向かったんですが、イタズラだと思ってた人形の正体が、本物の幽霊で、夜になって、わしらの家に来て、なんの恨みか、追いかけてきてるんです」

 「幽霊!?」

 「勇者様、なんとか退治してもらえませんか?」

 「なるほどな、わかった、幽霊の退治は、したことがないが、村のものが困っているのが、勇者の仕事だ」


 勇者様……かっこいい


 「もしかして、あれのことか……?」


 勇者様の声で、振り向くと、広場の入り口ぐらいに、あの幽霊少女がいた


 「人形……返せ……」


 幽霊は、また同じことを繰り返し、しゃべっていた


 「ぬっ?人形?」

 「なぜか娘が、その人形持って帰ろうとしてて、捨てたんですが、まだ、わしらのもとにあると思ってるのか、追いかけてきてるんです」

 「なるほどな」


 今の暗い時間に森に入って、人形を持って、幽霊に渡すわけには、いかないし

 勇者様に、この幽霊を倒してもらうしかない

 だけど、勇者様、魔物しか退治したことないみたいだし、大丈夫だろうか


 「人形……」


 こっちに近づいてきている


 「勇者様あああ」


 そう言うと勇者様は、立ち上がった


 「まかせろ」


 そう言って、立ち上がった、勇者様の股間には、わしが捨てた呪いの人形がついていた

 ロープと一緒に勇者様の股間を隠す役目になっている


 「えっえええええ!?」

 「なんだ村長?」

 「その股間の人形どおしたんですか?」

 「下半身を隠さないと酒場に入れなかったからな、パンツになるものを探していたら、ちょうど落ちていたので、拾った」


 なんてもん拾ってんだ


 「まあ酒場の女主人から、追い出されたがね」


 そりゃあ、当然だ……

 だが、あの幽霊が求めているものが、この勇者様の股間についている人形なら……


 「勇者様!」

 「なんだ、村長」

 「その人形が、その幽霊が探している人形なんです」

 「なに!?」

 「どうか、持ち主に、返してやってください」

 「落とし物なら、しかたない」


 少女の幽霊が手を伸ばす


 「人形……」


 それを見て、勇者様は、股間の人形をはずし、手に持った、そのとき

 勇者様の股間から、光が広がる


 「ぐあああああ」


 少女の幽霊は、その光をあび、苦しそうな声をあげる

 そして静かに消えていった……


 「フッ……人形が戻って、安らかに、成仏したようだな」

 

 どうみても安らかじゃない気が……




 こうして、呪い人形騒動は、解決した

 人形は、専門の人に供養してもらい

 わしとアリスは、お祓いをしてもらった

 しだいに、人形の噂は、消え、村人達は、おびえることなく平和に暮らした


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