村長の娘(完)
魔王軍は、滅んだ
ゴリアン達の手によって、そして、ゴリアン達は、宇宙に子供を連れて帰った
そのこと聞いたのが、昨日
まあ、世界に平和が訪れてよかった……
「村長~プリンまだか~」
村の見回りの帰り道、アリスが、来た
もうプリンの時間だったのか
「ああ、すぐ帰って、作る」
「うむ、今日も、頼むぞ」
「そういえば、魔王城は、滅んだが、よかったのか?」
「我は、魔王だ、我がいる家こそ、真の魔王城なのだ」
「ふむ……」
んっ!?
わしの家が……現在魔王城ってことになるのか!?
「やはり、あなたが、魔王様でしたか」
声とともに、あらわれたのは、前に、村に来た、魔王軍幹部だった
服は、ボロボロになってるが、まちがえない
「これで、魔王軍が、再起できる」
アリスに手を掴もうと伸ばす魔王軍幹部
「さあ、いきましょう」
「行かぬわ!」
アリスは、そう言い
魔王軍幹部の手を払にのける
「なぜ!?」
「我を突き飛ばしたくせに、勝手言うんじゃない」
「そんな……魔王様!」
「もう、おまえらの仲間なんかに、なってやるもんか」
「そうじゃ、わしの娘をおまえみたいな、変なのに渡せるか」
アリスも嫌がっているのだ
こんどは、行かせない
「どけ!」
魔王軍幹部の声が、響き渡る
アリスの前に、立った、わしの体が、宙に浮き、吹き飛んだ
ゴリアン達によって、ボロボロにされて弱っていると思っていたが、そんなことは、なかった
「魔王様、さあ、我々の魔王になってください」
「我は、帰ってプリンを食べるのだ」
「プリンなら、大量に用意させますので」
「ふふ、我も今まで、いろんなプリンを食べたが、村長のプリンが一番なのだ」
アリスよ……
「では、無理やりでも、連れて行くとしましょうか」
「なぬ!?」
「我々、魔族には、洗脳魔法というものが、あるんですよ」
「このあほが、魔王である、我に、そんな魔法が効くとでも、思っているのか?」
「今の魔王様、程度なら、問題ないのですよ」
アリスの首を掴む、魔王幹部
「さあ、私の目を見てください」
「ぐぅ」
くそ、このままじゃ、アリスが……
その時、まばゆい光とともに、魔王軍幹部の体に一本の光の線が入った
そして、その光の正体が見えてきた
やはり、このまばゆい光は、勇者様の股間の光だ
光の剣を構え、全体的に、前より、眩しさが、ましている
「勇者様……!」
「なに!? 勇者だと!」
驚いた様子の魔王幹部の体は、一刀両断されたようだった
そして、光を発しながら、消えていった……
魔王幹部が消えたことで、アリスも解放された
あらためて、勇者の強さというものが、わかった
「なるほどな、この子が魔王か……」
やばい……ばれたようだ
さっきまでの話を聞かれていたのか
「フッ、勇者よ、我こそが、魔王だ」」
アリスも隠す気なしで、戦う気まんまん
勇者様は、アリスを見下ろしている
このままじゃ、まずい
「勇者様、この子を退治しないでください」
「んっ?」
「どうか、この子だけは……」
「魔王を庇うと、どうなるか知っているのかね?」
魔王を庇い、育てていたなんて、知られると、生きてる間ずっと、牢屋に入れられる……
いや、もしくは、死刑か……
「知っています、それでも、うちの娘だけは、どうか……殺さないで、ください」
勇者様は、アリスのほうを見る
「フッ……殺すか、なんのことだ、私の目の前にいるのは、村長の娘だ」
そして、背を向け、広場に行く道を歩いていく
勇者様……
「ありがとうございます……」
深々とお辞儀をした
勇者様、感謝します……
ああ、まばゆい光だ……
「おのれ……我を魔王として、見ないとは」
「んっ?」
「おのれおのれおのれ!」
ちょと待て、今、アリスが持っているのは、ハイメガ勇者抹殺メガトンキャノンガン!?
「待て、アリスううう」
「喰らえ、勇者あああ」
いつのまにかに持ってきていた、ハイメが勇者抹殺メガトンキャノンガンを発射するアリス
禍々しい赤い光が、勇者様に直撃する
「勇者様あああ」
急いで、駆け寄ると、土煙の中から、光とともに、勇者様があらわれた
なんともないかのように、こちらを向いた
全裸の体には、傷一つなく、無傷であった
「勇者様、すいません、すいません」
「フッ……子供のちょとしたイタズラ気にすることもない」
さすが、勇者様だ……
格好は、変態だが
「待てやあああ、勇者あああ」
アリスが、叫びながら、こっちへ向かってくる
なんとしても止めなければ
「では、また会おう、さらばだ」
勇者様は、移動魔法を使ったのだろう
光とともに、空へ消えていった
「勇者め、我を魔王扱いしないとは」
「まあいいじゃないか」
「よくないわ、勇者に魔王扱いされないのは、魔王として、屈辱でもある」
魔王としてのプライドが、アリスにも、あるのだろう
「だがな、アリスよ」
「んっ?」
「お前は、魔王かもしれないが、わしの大事な娘でもあるんだ、あまり危険なことは、しないでくれよ」
勇者様の心が寛大だから、よかったものの
戦いになっていたら、アリスが死んでいたかもしれない……
「パパのほうが、危険なことをしないでくれよ、ボロボロじゃないか」
「ああ、さっきの魔王幹部に吹き飛ばされた時のか……」
んっ!?
「今なんと……!?」
「んっ?」
「パパと……」
「うるさい、さっさとプリンを作れ、村長」
アリスは、そう言い家に帰っていく
今日も村は、平和だ




