魔王軍幹部
アリスのプリンの時間が、終わった
さてと、さっき、ゴリラ赤ちゃんに奪われた、赤い宝石のペンダントを返してもらいに行ってくるか
「んじゃあ、行ってくる」
「ああ、ペンダントの件なら、我もいくぞ」
「おまえは、また喧嘩しそうだから、だめだ」
「いくときめたら、いくのだ」
「んまあ、絶対喧嘩するんじゃないぞ」
「うむ」
いい返事だが、アリスが、約束を守ることは、あまりない
玄関のドアを開けた時、村の様子が、いつもと違うのに気づいた
広場のほうに、人が集まっている
そして、その真ん中に、なにかが、宙に浮かんでいる
「なんだあれ」
「むっ、あれは!」
「なにか知っているのか?」
「あの気配、まちがえない、魔王軍幹部のものだ」
「魔王軍幹部!?」
そんな危険なやつが、この村に!?
「ふふ、今日は、運がないと思っていたが、幸運は、後からやってくるものだな」
そう言い広場に向かっていくアリス
それを追うように、広場に向かった
広場に行くと、村人が集まっていた
それを見下ろすように、空に浮かんでいる、ヴァンパイアのような恰好の男
「村長、丁度いいところに、今、お呼びしようと思ってたところなのです」
「どうした?」
わしが広場にいることが、わかると村人達が、集まってきて、 一斉にしゃべりだす
「このものが、魔王を出さないと、村を滅ぼすと」
「なにを言ってるのか、理解できないんです」
「魔王なんて、この村にいるの!?」
「魔王って、あの魔物達のボスのことだよね」
村人から、不安の声が上がっている
なんとか落ち着かせなくては
「貴様が、ここの村長か」
見下ろしていた男が、宙から、地面に降りてきた
「わしが、この村の村長じゃが、おぬしは」
「私は、魔王軍幹部のものだ」
魔王軍幹部……アリスが、さっき言ってたやつだ
「ここに来たのは、魔王様をお迎えに来たからだ」
「魔王が……この村に、ですか?」
「ああ、預言で、この村にいることは、確認済みだ、隠すと、この村を滅ぼすぞ」
アリスを出さないと、村は、滅ぶ
しかし、アリスだって、大事な、わしの家族だ
渡すことなんて、できない
「我こそが、魔王」
村人の中から、声をあげたのは、アリスだった
「アリス……」
「村長よ、今まで、ありがとうな」
「行くんじゃない、アリス!」
「我は、魔王、いつかは、こうなる運命なのだ、我は、我の役目を果たす」
アリスは、そう言い、魔王軍幹部の元に向かっていく
「そんなアリスちゃんが魔王なんて」
「なぜ、あの子が……」
「村長、どういうことなんです」
うるさい
今は、村の人間の声など、どうでもいい
アリスが行ってしまう
「アリス!」
だが、その言葉は、アリスの足を止めることは、なかった
「さらばだ……」
そして、アリスは、魔王軍幹部のもとに行った
「我こそが、魔王だ、さあ連れていくがいい」
「貴様が魔王だと?」
「そうだ」
なにか、様子が変だな
「ふっふふふ、貴様のような小娘が、魔王様のはずなかろう」
「なに!?」
「下げれ、小娘」
「なんだと貴様!?」
アリスのパンチは、魔王軍幹部の足を攻撃するが、全然効いてないようだ
「これなら、どうだ、必殺の魔王ビーム!」
指先から、出した赤いビームを軽々手で払い消す、魔王軍幹部の男
「我の攻撃が効かないだと」
「ふん!小娘、そんな攻撃で、魔王様を偽ろうと、などおこがましい」
「そんな、我の魔王ビームが……」
「じゃまだ、小娘」
なにが、起こったのか、わからないが、アリスの体は、吹き飛んだ
だが、魔王軍幹部の男が、やったのだけは、わかる
とっさに動いてくれた体のおかげで、飛ばされたアリスは、なんとかキャッチすることが、できた
「大丈夫か、アリス」
「うっうっ~、村長」
泣いているようだが、見た感じ怪我などは、してないようで安心した
「偽物など出すとは……もういい、一人一人、殺していくか」
アリスのことを偽物だと思っているようで、怒っているようだ
くそう、こんな時に勇者様が、いてくれたら
「むっ!あれは!?」
なにかを発見して、驚いている魔王軍幹部
もしや、勇者様が来てくれたのか
だが、そこにあらわれたのは、2足歩行のゴリラ赤ちゃんだった
「ウホォ」
「あなたは……魔王様!」
なぜ!?
「なんで、そこのゴリラが魔王なんだ!」
「ふっ、まあいい特別に教えてやろう」
そう言って、ゴリラの赤い宝石の首飾りに指を差す
「これは、魔王様の証」
ちょと待て、今日アリスが取られたペンダントじゃないか
「そのペンダントは、我のものだ!」
「フッ……」
アリスの言葉は、魔王幹部に全然信じてもらえている様子では、なかった
「行きましょう、魔王様」
「ウホォ?」
ゴリラの手を取ろうとしているところに、火の玉が飛んできた
だが、それは、魔王幹部のに当たりそうなところで、消えた
「私達の愛の結晶のゴリちゃんをさらう奴は、殺す」
「だれだ!?」
そこに現れたのは、魔法使いだった
相変わらず、目が怖い
「その子の母よ」
「そうか、この御方は、魔王様であるのだ」
「なに、おかしなこと言ってるの!」
まあ、ゴリラにしか、見えないな
「だから、我々が、連れて行って、お世話さしていただく」
「そんな……そしたら、あの人との結婚が」
うちの馬鹿息子が、あの様子だし、どの道、結婚は、難しいだろうな
「今まで、魔王様の世話ご苦労だったな、それでは、さらばだ」
魔王幹部は、ゴリラ赤ちゃんの手を握り、怪しい光とともに消えた
魔法使いは、その様子を見て、膝を地面につく
「私の結婚計画があああ」
ゴリラ赤ちゃんは!?
「魔法使いさん……」
落ち込む、魔法使いさんだったが、顔をあげる
「お父様、私、赤ちゃんは、盗られたけど、またリオルさんにアタックして、結婚の約束をお願いするわ」
無理だと思うが……
あとお父様言うな
「まあ、がんば……」
正直、もう関わりたくないな
「ええ、では、リオルさん、今、行きますわ~」
魔法使いは、地面の中に消えていった……
出てくるときは、地面の中からか……ホラーだな
うちの馬鹿息子、大丈夫だろうか?
生きて帰ってきたら、こんどは、少し優しくしてやろう
「うっうう~魔王~我なのに……」
アリスのことを忘れていた
「アリスそんなに泣くな」
「うっうっ……」
「帰って、プリン食べよう」
「うん……」
まあともかく、アリスが無事で、よかった……




