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出会ってしまった
まさに一瞬。
静寂の中に、大きな音とともになにかが落ちた。
落ちた者は、大きな音と同時に少年の首筋に歯…否、牙を立てた。
「___何だっ!?何か落ちたっ?ッッ!」
「痛っ、誰っ!?」
「あ、ごめんなさい、
____地球に落ちたので、血をいただこうと」
「っは!?」
「あ、ごめんなさい。喉乾いてて。
あ、私はグランルという所からきた吸血鬼です。」
「なにいってっ!?」
「落ちてくるところを…八重歯よりも尖った牙を、君は見ている。」
「……どういう…ことだ」
現実とわかっていても受け止められない状態で混乱する少年。
少年は、心の中でひたすら周りに人がいなかったことを嘆いた。