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落ちた吸血の鬼。
とある、晴れた日の夕方。
秋の季節の、冷えてきた日本の…東京の夕方。
一人の少女は空を急降下していた。
一人の少年は帰路を辿っていた。
少女が落ちる、その場所に、少年はいた。
なんの運命か、それは必然だった。
「___何だっ!?何か落ちたっ?ッッ!」
「痛っ、誰っ!?」
大きな音とともに少年の背後に立ち、少年の首筋に歯…否、“牙”を立てる少女。
「あ、ごめんなさい、
____地球に落ちたので、血をいただこうと」
これは、交わってしまった運命の物語。