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霧崎UMAの優真譚  作者: 尾高 太陽
File.6
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厄介事3

 ・海星学園 高等部棟 屋上

 山の上に建つゆえに小さな街を一望する中、俺とアフロはベンチに座っていた。


「んで?何の用だよ。」

 そう俺に視線を向けたアフロは静かに怒っていた。

「いえ、少々アメリカでの事を聞きたくてですね。」


「あのさぁ、その前に何かいう事ねぇの?」


 すると感情はそのままに、さらに冷たい声が向けられた。

「思い当たる節がありませんね。」

 アフロは小さく溜め息をつくと、今度は怒りではなく呆れたような感情を向けた。

「あのメガロドンじゃなくてよヘリ……コプリオンか。あの一件の後すぐに解散したろ?」

 確かに俺とクミカとガブリエルは教授の依頼達成の為に一度博士の研究所に向かい、アフロとトウカは先に帰らせた。

「あの後な珍しくトウカちゃんから飯の誘いがきたんだ。」

 確かに珍しいな。

「そん時トウカちゃんさ。……泣いたんだよ。」

 アフロは「お前のせいだよ。」とでも訴えかけるかのように低く、そう言った。

「おや、埃でも入ったんですかね。」


「あぁっ!!!?」


 俺が小さく笑った次の瞬間、アフロは立ち上がると胸ぐらを掴まれ背後のフェンスに強く押し付けられた。

「暴力ですか?」

 抵抗する事もなく静かにそう返す。

「俺はトウカちゃんのように感情は隠せないもんでな。」

「俺から隠したという事は知られたくなかったのでは?」

 俺の言葉に反応するように俺を押し付けるアフロの力が少し緩む。

 今の反応、アフロは理解していたようだな。

「最近ちょっとした特訓のおかげで感情については詳しくなりまして。なぜ泣いていたのかは大体察しがつきます。」

 そしてその言葉にさらに力が弱まる。

「ですが、その感情を隠したのならそれに合わせるのが道理でしょう。」

 するとアフロは俯くと更に力を抜いた。

「……正直なところ俺だってまあまあショックだったんだ。でもそれくらいなら俺は屁でもねぇ。ただ、トウカちゃんに泣かれるのは、どうも気にくわねぇ。」

 全く、少し言い返しただけで会話の方向が乱れるか……。


「が、悲しむ相手に合わせてユウマ君みたいな人気者になるくらいなら。俺は嫌われ者でいい。」


 その瞬間。サングラスの隙間から俺を睨みつけるアフロは情報屋に劣らない、むしろ優っているかもしれない程の、しかしコントロールできていない暴走したような殺気が向けられた。


「もちろんクミちゃんと一緒に考えたって事も理解してる。」

 なんならクミカが元だしな。

「だがトウカちゃんを傷つけたのはユウマ君だ。」

「だから殴らせろと。」

 アフロは肯定はしなかった。しかし、否定もしなかった。


 俺は目をつむる。

 超聴力のおかげでアフロの動きは分かる。

 アフロは胸ぐらを掴んだまま腕を振り上げ。そして


 パンッ。


 俺の顔をめがけて振り下ろされた拳を、俺は受け止めた。

「確かに今回の件。自分達に非があることは間違いありません。ですがトウカちゃんの分の怒りをアフロ先輩から貰う義理はありませんよ。」

 これがアフロの怒りをアフロがぶつけていたなら迷いなく拳を受けていただろう。

「もしトウカちゃんが自ら怒りをぶつけに来たのなら、その時はきちんとそれを受けましょう。それが例えトウカちゃんがいつも言っている、自分との恋愛関係だったとしても。」


 アフロは受け止めた事になのか俺の例えになのか、驚いた表情を見せるとそっと拳を下ろし俺の隣に座りなおした。

「……んで?アメリカでの何について答えたらいい。」

 呟くように言ったアフロに殺気はなかった。



 想定以上に時間を取ってしまったな。

「ジャッカロープを連れ帰った手段について少々。」

 するとアフロは「それならクミちゃんの方がいいんじゃねぇのか?」と首を傾げた。

「クミ先輩はどうも隠す癖があるので。」

 なるほどとアフロは苦笑すると説明をし始めた。




 ・エルク・ルフィージュ・インホテル5号室

「さて、ユウマ君も行ったし私達は私達で仕事をしようか。」

 クミちゃんはんな事を言いながら体を伸ばした。

「えっとユウマ先輩がレオを連れて来るまでの間に群れに説得をしておく。でしたっけ?」

 そう、トウカちゃんの言う通り俺達は群れの説得を任された。

 するとクミちゃんは「あっ。」思い出したように声をあげた。

「あ、ユウマ君からもう一つ伝言を受け取ってたんだった。」

 それ忘れてたらマズイやつだろ。

「で?伝言ってなんなんです?」

「えーと。〈レオは自分とクミ先輩、群れはアフロ先輩とトウカちゃんに任せます。〉だって。」

 なるほど…ん?

「はあ!!?」

「ちょっとうっさいですよ黙っててください!」

 はーい。

「詳しくはどう言う流れなんですか?」

 俺とは天と地の差の声のトーンでトウカちゃんは首を傾げる。

 あらかじめ言ってくれたなら船の1つは出したんだが……。

「私は群れの説得をしたらそのあとユウマ君と合流するから、2人は群れを連れて日本へ帰って。」

 クミちゃんが説得………。

「よし、俺もクミちゃんについて行こう。」

 クミちゃんに任せるには重すぎると判断した俺はそう決意した。

「ダメ。トウカちゃん1人だと群れの誘導が出来ない。」

 即答された正論に俺は一瞬言葉を詰まらせたが、なんとか次の言葉を絞り出す。

「いや説得したらすぐに群れの誘導にまわるからよぉ。」

 なんだこの泣きつくダメ男感……。

 しかしクミちゃんは首を横に振ると「と言うよりもアフロくんじゃないと。」とノートパソコンの画面を俺に見せてニヤリと笑みを浮かべた。

 俺は目を背けたくなるような作戦に思わず溜息が漏れる。

「そりゃぶっ飛んだ作戦だな……。」

 画面にはネスト社の貿易船航路が載っていた。




 クミちゃんが巣に向かった後、俺とトウカちゃんで準備を進めていた。

「人を増やすのもなんだからタクシーは帰りにでも呼べばいいか。」

 群れと合流するのが空港に近いためにヘリコプターで直接群れを拾えず、とりあえずトラックで群れを連れて行く事になった。

 後はそこから日本に帰る方法だ……。

「ちょっと交渉してくる。」

 「分かりました。」というトウカちゃんの返事を聞いて俺は部屋を後にした。


 ~発信音~

「どうした。」

「よう。ちょっとした交渉をしねぇか?」




「船はさっき動き出したらしくてな。それに追いかける型でクレーンヘリで運んで行く事になったよ。」

 すると荷物を片付けていたトウカちゃんが首を傾げた。

「クレーンヘリは手配できたんですか?」

 そう、そこがファインプレーだ。

「ちょうど俺の会社のヘリがすぐ近くで空きがあってな。ついでにコンテナはトラックのコンテナをそのまま使えばいいだろ。」


 想像以上に仕事が早く終わり、俺とトウカちゃんで紅茶のひと時を楽しもうと湯を沸かしていると、クミちゃんからの着信が来た。

「もしもし?説得は終わったよ?」

「こっちも手配は終わったぜ。トラックはここに来るまでに30分。船は出発してたからヘリで追いかける事になった。ヘリはトラックに合わせてある。」

「オッケー。じゃあトラックは今から送る場所に止めておいて。」

 そう送られた場所を確認して「了解だ。」と返事をする。

「あ、あと。今からこっちに来る時に持ってくるのはスマホだけにしておいてくれない?」

「ん?あぁ、それは別にいいが……。財布もダメなのか?」

「うん。代わりに私の財布を持っておいて。」

 意味無ぇ~。

「まあそれもさっき渡したペンと同じく作戦なんだろ。じゃあトラックがそっちに着き次第連絡するよ。」

「よろしくー。」


「おーい、トウカちゃーん?今から行く時はスマホしか待っちゃダメだってよ!」

 電話を切り、部屋の奥にいるトウカちゃんに声をかけると、トウカちゃんは部屋の仕切りから顔を覗かせた。

「どう言う事です?」

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 見たところで大したことも無いですがもしよければ見てみて下さい(ほとんど呟かない笑)。

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