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霧崎UMAの優真譚  作者: 尾高 太陽
File.6
44/73

厄介事2

第43部!のまえに1つ謝罪します。

投稿した前部、42部は間違ったものを投稿していました。

すいませんでした!!

と言ってもストーリーとしてはほぼ変わりはありませんし、今後の展開にも差し支えはありません!!

本当にすいませんでした!!


では第43部。どうぞ。

 ・六甲山 頂上付近

「どこまで増やせた?」


 大炊御門社の建設工事現場が遠くに見えるここはアフロの金で買えた数少ない町側の山、つまり俺達が所有している土地だ。

 そこでブラックドッグのキーに虫を繁殖するように指示していた。


「とりあえずどこまで制御が出来るか確かめるために100万ずつ増やした。今配備できる成体は体に住まわせている200万の虫合わせて2000万といったところだな。」

 数としてはまだかかるな…。

「監視させるときはどれくらいのローテーションでするつもりなんだ?」

 数十個ある中で数十万の虫が動き回る穴を順に見て回りながら俺とキーは言葉を交わす。

「理想としては1000単位の群れをそれぞれの範囲に設置し、さらに範囲内でばらけさせれば十分だろうさ。」

 効率を重視すれば最終的に会社の仕組みと似たような物になったのか。

「全ての虫にそれぞれ指示はできないのか?」

 するとキーは犬ながらも分かりやすく鼻で笑った。

「出来んことはないがそうすれば監視はできても警備が出来ん。」

 確かに個体で範囲の見回りだと攻撃する際に距離がありすぎてその時の数がどうしても不足してしまう。

「1000単位だと集まるのにも時間がかからないということか。」

 その答えにキーは頷いた。

「ならそうだな…人1人を5秒で食い切れる数の群れを10秒で集められる範囲にばらけさせたらどれくらいの範囲になる?」

「せいぜい半径20メートルの球体だ。」

 虫の速度は時速約150キロメートルと言ったところか。

 それでその山を警備となると…。

「…確か今渡している餌だと余ったと言っていたな。」

 キーは「ああ。」と答えると繁殖場から少し離れた地面を掘る。

 すると中には俺達が渡した大炊御門社の廃棄予定の食材や料理が土に汚れて見えていた。

「腐っても虫は食いおるから貯蓄はきくが渡された物の大体半分が余っておる。繁殖の為に餌も多く必要な上、最近は虫も増えたおかげその貯蓄も減ってきているがな。」

 虫1匹に必要な餌はそれ程かからないか。

「よし、今ので決まった。虫は100億用意してくれ。」

「………はぁぁぁぁ!!!!?」

 随分と人間らしいな。

「そんなに驚かなくてもいいさ。もちろん無理なら構わないが?」

 キーは「増やすだけなら不可能ではないが………。」と口ごもる。

「制御できるか不安か。」

「無理なら無理で別の案を探せばいいさ。それに制御が難しくなれば一度繁殖をやめて俺に報告しろ。」

「分かった。」

 今まで掘ってきた穴を埋めていきながらキーは同意した。

「とりあえず時間はあるが。できる事なら来年の10月頃には数が揃えられるように増やしておいてくれ。」

 渋々言われた「分かった…。」というため息混じりの言葉を聞いて俺はキーの元を後にした。




 ・海星学園 裏山 カマイタチの住処

「あれ?ユウマさんじゃないっすか。」

 自然に囲まれたカマイタチの住処を歩いていると、人間なら絶対に無視しているであろう喋り方で1匹のカマイタチが話しかけてきた。

「いつものっすか?」

「ああ。それとジャッカロープの方もな。」

 するとそのカマイタチは「物好きッスね。」と笑った。

「どういう事だ?」

「アレ?長から聞いて無いッスか?」

 聞くも何もジャッカロープやら仕事やらで静かに話す暇もなかったからな。

「ユウマさん達が初めて来た時ッス。」

 説明し始めたカマイタチに「お前がアフロの首に鎌をかけた時か?」と遮ると「それは言わないで貰いたいッス。」と苦笑いを浮かべた。

「ユウマさん達が帰った後、長が皆を集めたんス。」


『皆よく聞け!あの者達は私を救ってくれた!そしてあの者は代価を求めた…。』


「その時は自分含めて群れの皆が理解できなかったっス。」

 まあその言い回しでは分からないだろうな。というか俺達を悪人として知らしめたがっているようだ。

「もちろん皆は大反対…というか文句ッスね。『どうせ人間!!ウチらを利用しようとしてる!!』とか『代価とは何なのだ!!鎌のために我らカマイタチを売ったのでは無いだろうな!!』とかッス。」

 まあそうなるだろうな。

「でも長は言ったッス。」


『彼らが求めた代価は友になる事だ。』


「まあ皆ハテナッスよね。自分もとうとう長がおかしくなったと思ったッス。」

 事実ナギも聞いた時はハテナを浮かべていたしな。

 

『彼らの求めた代価はあまりにも小さく、救って貰うには不相応な代価だ。そう、彼らは不相応でも代価を求める事で人間様の施しではなく、我らと対等な立場に立ったのだ!あの者らは我らの知るまがい物の強者とは違う。仮初めの立場を捨て我らと対等に立つ者らだ!!』


「とまあそんなこんなの演説と、長の錆を取ったという事実のおかげで皆納得したッス。」

 しかしカマイタチは「あ。でもここだけの話、皆が皆完全に信用しきっている訳じゃないッス。」と声を潜めて言った。

「まあそればかりは時間をかけるしかない。」

 最近に限っては、俺達に隠れて別の出入り口も作っているようだ。

「だが、それでいい。常に周囲を疑うくらいでないと他の人間とは生きていけないからな。」

「自分としては人間がいようがいまいが、今みたいに平和なら何でもいいんスけどね。」

 そうカマイタチは目を細めた。




 カマイタチと別れてからいつも通り地質や発光生物を調べていると突然肩にナギが乗ってきた。

「まーたいつの間にかいる。」

「何度も言っているが勝手に肩に乗るな。」

 するとナギは屁理屈を言うかのように頭の上に乗った。

「おい聞いたぞ。俺達を信用させるための演説。」

 ナギ「アハ。」と笑った。

「なかなかいい言葉でしょ?」

「何でもいいがあまり俺達を特別視させすぎるなよ。」

 ナギは「ほーい。」とむくれた声を出した。


「ところで最近はいろいろあってこれてなかったがジャッカロープはどうしてる?」

「レオ達なら今のところは普通に暮らしてるよ。伝えるように言われてた事は伝えておいたし。あっちにいるから行ってみて。」




 ナギとは別れ、棲み分けたらしいジャッカロープの住処の森林に行くと数十匹のジャッカロープが群れをなしていた。

「ん?ユウマか。久しいな。」

「レオか。どうだ?最近は。」

 他のジャッカロープは少し警戒しながらも逃げる事はなかった。

「その前にナギから聞いた話だが我らと友になるためにここに連れて来たとは本当なのか?」

「ああ。俺達はお前らジャッカロープと友達になりたいんだ。」

 レオは「正気ではないな。」と鼻で笑った。

「正気も正気。お前らジャッカロープをラファエルから逃がす代わりに俺達と友達になって欲しいんだ。利害は一致してると思うが?」

「利害は一致しても代価は一致していないな。」

 どうやらナギに頼んでおいた俺達とカマイタチの交友関係とその成り立ちはきちんと通じていたようだ。

 代価は本人が決めるのではなく相手が決める事。

「レオにとっては小さな代価でも俺達にとっては大きな代価だったというだけのことだ。」

 そのあと、他のジャッカロープに向けて軽い自己紹介と今後の方針を伝えて俺は住処を後にした。




・海星学園 高等部棟 生物室(U.M.A研究部室)

 キーとレオとの用事を済ませてから土日を挟んで月曜日。

 その日いつも通り授業を受けた俺は放課後部室へのやってきていた。

 そこにはいつも通りクミカ、トウカ、アフロの面々が揃い、共通の目的のない3人は各々別の行動をしていた。

「アフロ先輩。少しいいですか?」

 そして今となっては見慣れた、サングラスの上からブルーライトカットのメガネをかけた姿のアフロに声をかけた。

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