第03話 誰に飲ませるの?
翌朝、トレニアが家にやってきた。学校はサボっても問題ない。
勉強したって、どうせろくに魔法が使えないのだから。
材料はトレニアが持ってきている。
「じゃこうって何?」
「さあ?」
すぐにトレニアは本で調べ始めた。
「ジャコウジカっていうのを捕まえてきて、内臓取り出して、乾燥させたものらしいよ」
「……内臓なんだ……」
「……ちょっと大変かなあ?」
「まず、捕まえるのが大変だよね」
森にいるのだろうけど、弓も使ったことがない。とても捕獲できるとは思えない。
「でも、この乾燥させたやつが、相手を夢中にさせる成分みたい」
「じゃあ入れなきゃダメかなあ」
トレニアは腕を組んで、考えこんだ。
本をペラペラめくって、別の惚れ薬のレシピを探してみる。何か代用できないだろうか。同じように困った人はいるはずだ。
「うーん……」
トレニアがポンと手を叩いた。
「「バジル」」
同時に同じハーブの名前が出てきた。
「バジル? 料理に使うハーブだよね」
「王様のハーブだとか、惚れ薬にもなるらしいよ」
私はその文を指でなぞった。
「じゃあ、それでいこう!」
こんな簡単に決めていいのだろうか。
「まあ、調合すればなんかできるか。……森に行こう」




